金本監督 藤浪に残り全勝指令「前半戦と真逆の成績残せ」球宴中、直接対話していた

 阪神・金本知憲監督(48)が17日、藤浪晋太郎投手(22)に残り登板試合「全勝」を厳命した。8日広島戦(甲子園)で藤浪に8回161球を投げさせたことが物議をかもしたが、指揮官とエースはオールスター第1戦が開催された福岡で、一対一で対話していたことが判明。互いに信頼を確認し合い、一枚岩で逆襲を誓った。

 161球を命じた藤浪への思いは冷めていなかった。金本監督は背番号19を文句なしのエースに育てたい。建前だけのリップサービスをするつもりもないのだろう。だからこそためらいもなく、名指しでダメを出した。

 「前半戦、先発投手は80点くらいじゃなかったのかな。藤浪以外は…」

 15試合の登板で4勝5敗。防御率3・46。これは誰の成績なんだ?そう、感じている。激励にも容赦はない。後半戦56試合に向け、熱っぽく、藤浪にハッパをかけた。

 「残り、全勝するくらいの気持ちでいってもらわないといけない。あと(登板機会は)11回か12回か。もちろん、投手は投げるたびに勝つつもりでいってくれているんだけど、(藤浪は)エンジン全開でね。前半戦とは真逆の成績を残してもらわないと」

 前夜滞在した横浜からこの日の午後帰阪し、甲子園の全体練習に合流した。球宴組で岩貞とともに休養日を与えられた藤浪は練習には不在だったが、期待値は群を抜いていた。

 8日の広島戦(甲子園)で初回2四球、3失点の藤浪に怒りを隠さず8回161球を指令した。6月2日の楽天戦以来白星から遠ざかり、同じミスを繰り返すエースに責任喚起した格好だが、ともすれば球団内でも意見が二分しかねない繊細な問題。だが、周囲が気をもむまでもなく、金本監督はフォローを忘れていなかった。

 球宴第1戦の福岡で藤浪と一対一の時間をつくり、納得いくまで対話した。新人から3年連続2桁勝利のプラチナ右腕が、今季リーグワーストの46四死球、5暴投と制球難に歯止めが利かない。両者は思いの丈を直球で投げ合い、互いの信頼を確認し合った。

 藤浪は言う。「チームも自分も借金を返せるようにやる。後半戦しっかり勝たないと2桁(勝利)にはいかない。しっかり頑張りたい」。巨人を本拠に迎えて再出発する後半戦。同3連戦に背番号19は登板しないが、逆襲への機運はエース抜きに高まらない。先発予定の22日・広島戦(マツダ)から、大将の課す重い十字架を背負う覚悟はできた。

 報道陣から今季は甲子園で巨人に未勝利だと聞かされた金本監督は、感情的になった。

 「勝ってない?どういうことや、それ!どこの球場でどのチームにとかあまり気にならないけど、やっぱり甲子園では勝ちたい。選手たちが(ファンに)気持ち良く六甲おろしを歌わせてあげるようにしないと…」

 巨倒、そして藤浪の再起…。熱望がかなえば、野望は芽生える。

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