球児3K斬り「MFD」で1点差守った

 「中日2-3阪神」(2日、ナゴヤドーム)

 新しい勝利の方程式を予感させる阪神の継投だった。先発能見が6回2失点で降板後は七回からマテオ、八回を藤川、九回はドリスが締めた。MFD3人が初のそろい踏みで1点リードを守り切った。

 リーダー格はやはり藤川球児だ。奪ったアウト3つはすべて空振り三振。4番・ビシエドを148キロ、5番・ナニータは145キロ、そして7番・堂上も143キロと最大の武器である直球で仕留めた。6月20日・オリックス戦(甲子園)で日本復帰後初の150キロをマークするなど、復活気配のある直球中心で攻めの投球を見せた。

 「まだ明日があるので」と試合後の藤川に笑顔はなかったが、金本監督は「ストレートでバシバシ空振り取っとったから。割と安心して見ていられた」とベテラン右腕への信頼を口にした。

 新守護神に定着しつつあるドリスは5月31日の再昇格後は登板11試合連続無失点の安定感。マテオ、藤川とのリレーに「自分も最初は抑えではなかった。皆で何とか勝ちにつなげられるような投球をしたい」と頼もしい。

 1点差勝利に指揮官は「後ろの3人かね、やっぱり。今日はピッチャーの勝利かな」と称賛。借金7の5位という厳しい現状に藤川は「自分たちのやるべきことをやるだけ。できないこともあるかもしれないけど、常に前を向いてやっていくしかない」と己の仕事に徹する。MFDが勝利のバトンをつなぐ。

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