藤浪焦って大崩れ…阪神4年ぶり借金8

 「中日7-2阪神」(1日、ナゴヤドーム)

 突然の大乱調だった。四回までパーフェクト投球を演じていた阪神の藤浪晋太郎投手(22)が、六回に自らの失策をきっかけにピンチを背負い、ビシエドの3ランなどで一挙4失点。貧打に苦しむチームを救うことができず、4敗目を喫した。チームは2連敗で今季ワーストの借金8。頼みの若きエースで勝てなかったのは痛すぎる。

 パーフェクトの予感漂う投球から、まさかの急変だ。ビシエドの弾丸ライナーが左翼席へ伸びていく。怪物の一発にナゴヤドームが一気に沸いた。マウンドに立ち尽くした藤浪は、打球の行方を見つめるしかなかった。

 「どうしても1点もやれないところで、力みにつながりました。3-2なので、ストライクゾーンに投げないといけないところ。もうちょっと厳しいところに投げないといけなかったです」

 伏線は自身の失策にあった。六回、先頭亀沢の打球処理を誤り、手痛い送球ミス。「タッチするかトスするか迷ってしまった」。すると続く大島にエンドランを決められ、無死一、三塁。瞬く間に傷口を広げられ、3番平田に右前へ先制適時打を献上した。さらにビシエドに3ランを被弾。決して気落ちしたわけではない。しかし反発力に欠ける現状の打線に4失点は重すぎた。

 「調子も悪くなかったし、バランスも悪くなかった」

 それまで、完全復調を思わせる快投を続けていた。初回からテンポのいい投球を披露。捕手梅野からの返球を受け取るとすぐセットに入る。投球に余計な間を設けず、ちぎっては投げを繰り返した。しかし、五回2死から6番福田のハーフライナーを鳥谷がグラブに当てながら捕球できず、中日の初安打にしてしまう。不運な形で大記録への挑戦が幕を閉じると、ここから一気に暗転した。

 「もったいないね。あれで(次の大島に)カウントを悪くして、エンドランで。変身したと思ったけどね。本当に、あの1プレー、ピッチャーゴロ」

 手応えを取り戻したように見えただけに、試合後の金本監督は藤浪の失策を悔やんだ。若きエースでまたしても勝てず、借金は12年7月15日以来の「8」まで膨らんだ。藤浪はいまだ4勝(4敗)止まりで、指揮官も「どうしたことか」と嘆くしかない。それでも、どん底のチームがはい上がるためには、エースの完全復活は欠かせない。指揮官は「メッセは立ち直ってくれたけどね」と改めて右腕に奮起を求めた。

 もちろん藤浪も自覚している。援護点がない中でも「打線?そのせいにはできない」と敗戦の責任を背負い込んだ。五回途中までの投球が本物かどうか、次の結果で証明する。

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