高山プロ初打席初安打!虎新人初の快挙

 「阪神2-5中日」(25日、京セラドーム大阪)

 収穫と反省のデビュー戦だった。阪神新人野手の開幕スタメン出場はドラフト制後、ドラフト1位・高山俊外野手(明大)が7人目で、初打席初安打を記録したのは初めて。二回の守備に就く際は大きな喝采を浴びた。「すごいファンに期待していただいていることを感じましたけど、勝てなかったんで申し訳なかったですね」。慢心はない。プロとしての自覚が芽生えつつある。

 スタメン1番。見せ場はいきなり、やって来た。初回先頭、カウント2-2から大野の140キロ外角低めの直球を捉え、三遊間を破った。「追い込まれていたんで、何とか食らいつくという気持ちで打ちました」。大野は初球に予告通り直球を投げてきたが、フルスイングで空振りした。

 「思い切り振ったんですけどね」と苦笑したが、その後はきっちり修正した。04年の鳥谷以来となる新人での開幕戦安打に「1本出たのは、ほっとします」と安心していた。

 しかし、すぐに表情はこわばった。三回1死一塁。遊撃・鳥谷との間に上がった飛球を捕球ミス。声でのやりとりがうまくいかなかったために、「E」のランプをともした。失点にこそならなかったものの、ピンチを広げてしまった。

 中村外野守備走塁コーチは「バッテリーに申し訳なかった。ただ、練習で(修正が)できることではない。試合で学んでいってほしい」と要求。本人も「技術的なミスじゃないんで。次はないようにしないと」と気を引き締めた。

 試合前、川藤OB会長にあいさつした。1月に初めて対面した新人合同自主トレの際には「かわいい顔をしている。目力を手に入れろ」と苦言を呈された。この日も川藤会長は「まだまだやな」。求められるものは高い。

 失敗も勉強。取り返せるチャンスは、まだある。「オープン戦に出させてもらってたんで、変な緊張感がなく臨めました。そこはよかったと思います」。2戦目以降の巻き返しを誓い、虎風荘へ帰る車に乗り込んだ。

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