マテオ守護神いける!左打者3人斬り

 「練習試合、阪神2-0サムスン」(27日、宜野座)

 阪神の新外国人選手、マルコス・マテオ投手(31)=前パドレス=が27日、練習試合・サムスン戦に4番手で登板し、1回を無安打無失点に抑えた。課題とされた左打者3人を相手に、得意のスライダーで2奪三振。守護神候補が見事なアピールに成功した。

 面白いように曲がり落ちるスライダーが観客の視線をくぎ付けにした。藤川、メッセンジャー、福原がつないだバトンを受け取ったマテオは左打者3人をピシャリと抑える完璧な投球。己の役目を果たし、「いい感じで投げられた」と充実感を漂わせた。

 2点リードの六回からマウンドへ上がった。先頭・具滋クを横に滑るスライダーで空振り三振に仕留めると、続く朴海旻は初球・145キロの内角直球で遊ゴロ。朴漢伊は全球スライダーで追い込み、最後も外のボールゾーンからストライクになる伝家の宝刀で、見逃し三振に切り捨てた。

 前回登板した紅白戦でスライダーを投げていたのは右打者のみ。左打者には試しておらず、駆け引きが注目されていたが、満点の快投を見せた。香田投手コーチが「すばらしいと感じた」と絶賛すれば、中日・佐藤スコアラーも「(スライダーは)スピードがあって、今までにない軌道。最初は面食らうと思う」と警戒を強めた。

 スライダー中心の投球には金本監督の要望があった。「俺も左バッターで、右ピッチャーのインスラとかすごく嫌だったから。インスラにしろ外スラにしろ、その後のボールとかね。岡崎にもインスラで攻めてみろと」と指揮官。狙いが的中した形だ。

 さらに続ける。「まだシンカーもあるからね」。この日、投げた球種は直球とスライダー。より投球の幅を広げるボールを右腕は持っている。

 「自分のピッチングで投げるだけ。ランナーを背負った状態で、どう投げられるか確認していきたい」と今後に向けて意気込んだマテオ。猛虎の守護神候補はまだまだ真価を見せていない。シーズンで他球団の脅威となるべく、さらに牙を研いでいく。

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