陽川大改造!金本監督75分間密着指導

 「阪神春季キャンプ」(12日、宜野座)

 阪神・陽川尚将内野手(24)が12日、自身の「大改造計画」をスタートさせた。この日の内外野別ノックでは、中学以来という外野守備の練習を行い、全体練習後の特打では金本知憲監督(47)から約75分間の個人レッスンを受けた。プロ3年目、生き残りをかけて新境地を切り開く。

 普段通り、この日のシートノックも一塁の守備に就いた陽川。だが突然、新しい風が吹いた。中村外野守備走塁コーチから、思わぬ言葉をかけられる。「内外野別ノックは外野にいってくれ!」。中学以来という新しい場所は、今後の可能性を広げられるチャンスかもしれない。ならば、全力を注ぐのみだ。

 ノッカーが打つ大飛球を不慣れな動きでキャッチする。約30分間の外野ノックに戸惑いはあったが、同時に新鮮な空気も感じた。「外野を守れれば、試合に出るチャンスも増えてくると思います」。今キャンプの主戦場は、主に一塁。それでも「どんどん挑戦していきたい」と出場機会を求め、外野練習にも精を出して取り組む。

 金本監督は「あいつ足が速くなったから」と、外野指令の意図を説明した。30メートル走、垂直跳びと瞬発系の数値が昨季と比べて伸びているという。一方、ウエートの成果もあり体重は6キロの増量に成功。「しっかりトレーニングしてきた成果」と指揮官も納得顔だ。

 全体練習後の特打では、金本監督から約75分間のマンツーマン指導を受けた。秋季キャンプからの教えである「トップを捕手方向へ引っ張る」「軸回転」の2点以外に、新しい極意も伝授された。

 テークバック時に右足の付け根にしっかりと体重を乗せて、そこでためたパワーをボールへとぶつける。より遠くへ飛ばすための極意だ。長距離砲へ-。虎将の期待は大きい。

 「去年の秋から彼に対しては少し言い過ぎかなというくらい言っていたんだけど…。あえてそれをしているんだけどね」

 11日の紅白戦では、逆風を物ともしない弾丸ライナーの一発を左翼席にたたき込んだ陽川。「いろいろ聞いて、吸収していきたいです」。新境地を切り開くヒントが、沖縄にある。

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