ドラ1高山 バックスリーン越え驚弾

 「阪神2軍春季キャンプ」(6日、安芸)

 阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が6日、全体練習に合流し、フリー打撃でバックスクリーンの上を通過する驚弾を放った。場外道路脇のネットがなければサブグラウンドまで飛んでいた一撃に、掛布雅之2軍監督(60)は「飛距離はすごい。甲子園でも浜風に乗るよ」と断言。聖地でも一発を量産できる可能性を見いだした。

 高校生くらいの少年が、崖っぷちに落ちていたボールを拾った。Tigersの刻印を見つめ、「こんなところまで飛ばすってすごいね!」と無邪気に父親に話かけた。メーン球場のバックスクリーン後方にある防球ネット。そこに白球を突き刺した主は、ルーキーの高山だった。

 午後から行われたフリー打撃。ストレートマシンを相手に、一塁側のケージから高山が放った打球は、力強いライナーでバックスクリーンの上を通過していった。1200人のファンがざわつき、思わず笑ってしまうほどの衝撃-。防球ネットがなければ間違いなく、サブグラウンドまで飛んでいた。

 掛布2軍監督は「飛距離はすごいよ。左中間に打球が伸びるからね。フォローが大きい、打球の角度がいい、スピンがかかる」と解説した上で「あれは甲子園の浜風に乗るよ」と断言した。

 聖地に吹く右翼から左翼への強烈な浜風は、幾多の左打者のカベとなってきた。だがミスタータイガースは現役時代、その浜風を利用して逆方向へ数多くのアーチをかけた。通算349本塁打、3度の本塁打王。球団史上最高のアーティストが、長距離砲としての資質に太鼓判を押す。

 ただ本人は「飛ばすことよりも打つ形を意識して。飛距離はバロメーターではない」と言い切る。「振る体力だったり、まだまだ足りない部分が多い。これからずっと外で打っていくということで、打ち方の再確認をしないと」と日々、明確なテーマを持って打撃練習に取り組んでいる。

 一つの具体例がティー打撃の姿。キャンプ初日にスタンスの広さと右足のカベを修正され、今では必ず両足の前にボールを置く。誰に言われるまでもなく一球、一球、そのボールを見てスタンスの広さを確認。その姿勢には“求道者”の雰囲気すら漂う。

 日本選手では84年の掛布以来、長らく阪神から輩出できていない本塁打王のタイトル。その“頂”にたどり着けるだけの資質、そして潜在能力を高山は持っているのかもしれない。

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