金本氏受けた!19日会見「何でも聞いて」

 阪神は17日、第33代監督にOBの金本知憲氏(47)=デイリースポーツ評論家=が就任することを発表した。来季新監督として就任要請を受けていた金本氏がこの日夕方、電話で南信男球団社長(60)に受諾の意思を伝えた。19日の監督就任会見を前に、同氏は「何でも聞いてください」と、覚悟の決意表明を予告した。

 金本氏は午後5時、夕焼け空の広がった故郷広島から電話で南球団社長に受諾の意思を伝えた。1日の監督要請初交渉から17日、晴れて猛虎の第33代監督が誕生した。

 「返事しました」。広島市内でデイリースポーツの取材に応じ、いつもより丁寧な口調でそう答えた。

 「阪神の監督など、指導者経験のない僕には荷が重過ぎます」。要請を受けて以降、一貫して固辞の姿勢を崩さなかった。もったいぶるわけでも、じらすわけでもなく、本音本心で前向きにはなれなかった。伝統球団で重責を負う不安を隠さず、身内の反対もあって「断り」に傾いた日もあった。

 それでも交渉役の南球団社長から「このチームを変えたい。覚悟を決めて引き受けてくれませんか」と熱く口説かれ、交渉を重ねるたびに心が動いた。2度目の交渉の後、親しい関係者に「南社長の誠意を感じる」と打ち明け、次第に決意が固まっていった。

 この日、歴史的な決断に至った理由、背景を問うと、金本氏らしく明瞭にこう答えた。

 「なぜ受けたとか、過去のことはもういいと思う。これからのことを話しましょう。近いうちに会見があると思うので、そのときに何でも聞いてください…と思っている」

 週明け19日に大阪市内のホテルで就任会見を行う。大挙して集まるであろう報道陣を想像し、そこで阪神の未来について語る、決意表明を予告した。

 金本氏は3度に及んだ交渉の席で一般論としてチーム再建案を語っていた。なぜ、補強で戦力を整えながら10年間も勝てないのか。なぜ、有望な若手が一流にまで育たないのか。そこに横たわる旧態依然とした体質、人気球団ならではのあしき伝統…。

 現役時代、球団内に混在する、変革を妨げる諸問題に疑問符をつけながら引退する12年まで過ごしてきた。星野監督時代に抜本改革されたはずのチームが再び後退の一途をたどっている-金本氏の目には諸悪の根源がどこにあるのか、明確に映っていた。

 「火中のくりを拾うようなものだよ」。この17日間、何度もそう口にした。「再建」という言葉では物足りない。金本氏は南球団社長に「改革」という言葉を伝えたという。名球会入りを果たした実績、連続試合フルイニング出場の世界記録を樹立した責任感は猛虎の生きる教材だ。

 現役21年間を終えた12年、鉄人と呼ばれた男は引退会見で「いろんな悔いがある」と言った。あれから3年。不屈の闘志を再燃させた金本知憲が、重責を背負い、戦場に帰ってくる。

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