阪神・和田豊監督（５３）が９日、ＣＳファーストＳ初戦を前に下克上日本一を誓った。

　失うものは何もない。広島がレギュラーシーズン最終戦で敗れたため、棚ぼたながらも挑戦権を得た。決意のこもった表情で「１試合でも多く、１勝でも多くファンの皆さんに届けられるようにやっていきたい」と言い切った。チャレンジャーとして必死に戦い、頂点を目指す覚悟を示した。

　その第一関門となるＣＳファーストＳ。舞台の東京ドームでは、今季２勝１１敗と苦戦した。「短期決戦。線を引いて新たな気持ちでやりたい」。イメージしているのは昨年、敵地で巨人と戦ったＣＳファイナルＳ。破竹の４連勝で宿敵を倒し、日本シリーズに出場。目指すはその再現だ。

　Ｖ逸の責任を取り、今季限りで退任する和田監督。「あしたから２０１５年シーズンの集大成」。総力を結集し、自らも攻撃的にタクトを振るう。まずは１０日の第１戦を一戦必勝の心構えで取りにいく。巨人を粉砕して一気に上昇気流に乗る。