阪神と金本氏5時間第2回交渉も平行線

 阪神は8日、来季新監督として1日に就任要請したOBの金本知憲氏(47)と兵庫県内のホテルで2度目の交渉を行った。交渉の全容は明らかにならなかったが、電鉄本社、球団が全社を挙げて「改革」を託す熱意を約5時間、金本氏に訴えたようだ。デイリースポーツの取材によれば交渉は平行線で、新監督問題の決着にはまだ時間がかかりそうだ。

 快晴の昼下がり、兵庫県内のホテルで球団側と金本氏が2度目のテーブルについた。交渉役の南球団社長はデイリースポーツの取材に「ノーコメントです」とし、概要を明かすことはなかったが、およそ5時間に及んだ交渉で目いっぱいの熱意を伝え、あらためて再建の「共闘」を訴えたもようだ。

 1日の初交渉から1週間、返答を保留していた金本氏の心境にわずかでも変化は表れたのか。夕方、交渉先から帰宅した同氏が取材に応じることはなかったが、本人に近い関係者によると、今回も目立った進展はなかったという。7日、広島が最終戦で中日に敗れたため、阪神のCSファーストS進出が決まった。この結果、新監督問題の結論まで多少の猶予ができたとの見方もできるが、この日の交渉が平行線に終わったため、球団側に焦りが生じ始めても不思議ではない。10年間優勝から遠ざかる阪神の再建について、金本氏は前回交渉の席で「自分には荷が重すぎます」とそもそも前向きではなかったため、なおさらだ。

 1、2軍のコーチ人事やドラフト戦略を含めた編成面は新監督の意向が反映されるため、球団側の本音は早期決着に違いない。だが、かねて球団幹部が「初めての監督業で不安があるのは当然。その不安、重荷を共有し、粘り強くこちらの誠意を伝えていきたい。あくまで金本氏一本です」と話しているように、たとえ交渉が長期化の様相を呈しても電鉄本社-球団が「金本新監督」誕生に総力を挙げて臨んでいく姿勢に変わりはなさそうだ。

 初回要請では組閣、編成面など細部まで話は及ばなかったが、今回両面の意見が交わされたのだろうか。全容ははっきりしないものの、11月に晴れて新体制のもとで秋季キャンプをスタートさせることが理想であることは金本氏も承知している。3度目の交渉日は未定だが、期限なく結論を先延ばしにするつもりもないだろう。

 ポストシーズン終了後に待望の新監督誕生となるのか…。プロ野球ファンが注目する金本氏のファイナルアンサーには、まだ少し時間がかかりそうだ。

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