鳥谷、喜び霧散、祝砲のはずが…
「DeNA4-3阪神」(3日、横浜)
メモリアルゲームに花を添える祝砲となるはずだった。通算1万試合は、悪夢のようなサヨナラ負け。4号ソロの価値も霧散した。阪神・鳥谷が敗者の列でうなだれた。
「あした、とりあえず頑張るしかない。あした勝って…、という感じですかね」
終盤まではチームを引っ張った。六回2死、フルカウントからの7球目。井納の高めに浮いた直球を芯に乗せた。ライナーが右翼席へと伸びる。背走する梶谷が足を止めた。「追い込まれていたので、何とか塁に出ようと思っていたのが、いい結果につながったと思う」。6月10日のソフトバンク戦以来66打席ぶりの一発で、リードを3点に広げた。
ただ、終盤には痛いミスもあった。八回1死で関根のゴロを失策。21日のヤクルト戦で背中と右脇腹の間に死球を受けた影響があるとはいえ、名手らしからぬプレーだった。2死後に筒香の適時二塁打で奪われた1点は結果的に後々へ響いた。
先人が歴史を積み上げて、たどり着いたプロ野球史上初の通算1万試合。「知らなかったし、意識もしていなかったけど、その中でやれていることは光栄なこと」。悔しさを押し殺して、感謝を口にした主将。借りは結果で返すしかない。