マートンで虎単独首位!大混セ抜け出せ

 「広島2-7阪神」(24日、富山)

 82日ぶりの単独首位や-。猛虎打線が5戦連続2桁安打となる11安打7得点と爆発。その中心を担ったのが阪神・マット・マートン外野手(33)。2号ソロを含む3安打猛打賞と今季4度目の4連勝をいざなった。リーグ戦再開後4戦連続安打と不振を脱却。宿敵を見下ろす景色はやっぱり格別だ。

 新助っ人なんてノーサンキューだぁ~!マートンの胸のすくような放物線が立山連峰に向かって、そう叫んでいるようだった。鯉の戦意を奪ったのは五回だ。富山をこよなく愛するヒットメーカーが内角のチェンジアップをパーフェクトスイング。リードを6点に広げる2号ダメ押し弾で4月4日以来の首位を手繰り寄せた。

 「これまでになかった感触だったよ。ずっと我慢しながら、辛抱強くやってきた成果が出たと思う。今夜はずっといい打撃ができたし、今後につながっていくんじゃないかな」

 14年の首位打者が遅ればせながら本領発揮の時を迎えた。二回に外角スライダーを右前へ運び、四回に内角シュートを左前へはじき返した。甲子園をしのぐ両翼99・1メートルのアルペンスタジアムでめっぽう強く、今夜の3安打をあわせて通算12打数7安打。恵方で完全に息を吹き返した。

 ダメだ不振だと周囲が騒がしくなっても、今季5度目の猛打賞はチーム最多だ。球団は有事に備え、BCリーグ石川から新戦力ペレスを獲得。さらに補強期限の7月をメドに「代役」のリストアップを進めてきたが、マートンの覚醒が本物と判断できれば凍結の可能性もある。リーグ戦再開後は4戦連続安打で16打数7安打、打率・438。誰かオレの代わりが務まるのか?そう言わんばかり、シーズン折り返しを前に量産態勢に入った。

 この日、広島打線を牛耳った能見が最も怖がる男だ。阪神打線を相手にするなら誰が最も厄介か?エースはそんな問い掛けに迷わず「そりゃマートン」と答える。「走者を置いた時に一番嫌。どんな球でも対応できる。大きいのがなくても穴が少ない。ヒットゾーンへ運ぶ技術は抜けている」。敵じゃなくて良かった…。同僚にそう思わせる心強さがカムバックしてきた。

 「状態が上がらずにイライラすることもあった。野球も人生も同じで、いいことも悪いこともあるけど、去年と同じようにいい状態を続けていきたい」

 巨人から首位を奪った。長い冬眠、いや春眠から覚めたマートンが首位快走のリーダーになる。

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