上本V撃!メッセバントに応えた!
「阪神4-1ヤクルト」(20日、甲子園)
助っ人から感謝のサプライズだった。お立ち台の下で阪神・メッセンジャーが、突然上本をひょいと抱え上げた。198センチの大男の手で軽々と宙に浮いた173センチ、64キロの小兵は“お姫様だっこ”に破顔一笑。大照れで虎党の大歓声に酔いしれた。
ヒーローインタビューにそろって立った2人の絆が勝利の源だった。同点の五回、左前打で出塁した先頭の藤井をメッセンジャーが送って二塁へ進めた。「一生懸命バントしてくれたので打てた」。2死二塁から上本が勝ち越しの左前適時打。徹底した外角攻めの中、際どいコースを見極め8球でフルカウントとすると、最後にバットの先で捉えた。
七回の守備では二盗した中村と塁上で交錯し、左手を強打した。倒れ込んで痛みをこらえながらも出場続行。お立ち台で「大丈夫。メッセンジャーのために一生懸命守りました」と笑わせた。その裏の右前打で6月4日・ロッテ戦(甲子園)以来のマルチ達成。直後の盗塁が効いて追加点をもたらした。
復調の兆しにも、選手会長は「今までどおり、1球、1打席を勝つためにやっていきます」と決して浮かれない。大男に抱かれて見せた乙女のような笑顔は一瞬。燃えさかる内なる闘志はここから見せていく。
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