藤浪の雄叫び 松田斬りでガッツポーズ
「交流戦、ソフトバンク4-5阪神」(10日、ヤフオク)
全幅の信頼を寄せる阪神・鶴岡のサインに静かにうなずいた。2点リードの六回、2死一、二塁。6番松田にフォークを見切られ、フルカウント。阪神・藤浪が最後に投じた1球は、前の打席で本塁打されたカットボールだった。
「配球の中の話なんですけど、前の打席で打たれたからではなく、より厳しくいこうと思いました。歩かせてもいいぐらいの気持ちで投げました」
外角低めに決まると、松田のバットは豪快に空を切った。藤浪は荒々しく雄叫びをあげ両手を突き出した。アドレナリンは全開。もう一度、吠えると、2度目のガッツポーズを決めた。
配球のおもしろさを知った1球がある。約1カ月ぶりの白星を手にした5月14日・ヤクルト戦。3ボールから鶴岡が出したサインはフォークだった。「マジか!と思いました。カウントがノースリーでしたからね」。決して制球力に優れるタイプではない。これまでなら間違いなく直球だった。配球通りフォークでストライクを奪うと次はカットボール。ファウルでフルカウントとし、最後は空振り三振に斬った。驚きの連続の中、鶴岡の配球に応えた自分の投球に手応えをつかんだ。
「内容的には納得していません。味方が5点取ってくれたから良かったですけど、完投しないといけない」
7回5安打4失点。昨年の日本シリーズで敗れたソフトバンク相手にリベンジを果たしたが、自己評価は厳しい。それでも「リベンジじゃないですけどやり返したい」と強い覚悟で臨んだ一戦で4勝目をつかんだ。
ソロを浴びた李大浩、松田には改めてパワーを見せつけられたが、内川を2打席連続三振に仕留めるなど進化した姿も示した。一発を浴びた両者への雪辱は今秋、同じ舞台で果たす。
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