藤井巧リード!メッセ奪三振ショー導く

 「交流戦、西武0-1阪神」(29日、西武ド)

 170センチ、80キロ、小柄な女房役が格好良く宙を舞った。38歳の阪神・藤井が若さをアピールしたのは1-0の七回だ。先頭の森を四球で歩かせた。得点圏走者を阻止したい場面で、次打者セラテリの送りバントが三塁ベンチ寄りに上がると、よいしょっ!と軽快にダイビング。男前な好捕でピンチの芽を摘み、メッセンジャーを盛り上げた。

 チーム最年長が今年一番の輝きを放った。4戦ぶりの先発マスクでメッセを巧みに、繊細にリードし、7回無失点投球を導いた。

 「きょうはいつもより勢いがあったね。ブルペンからめちゃめちゃ速かった。久しぶりに気合が伝わってきたから、絶対に0でいかなあかんと思った」

 最速152キロの速球以上に、その気迫をビシビシと感じ取った。不振に陥った15年開幕投手の復帰戦だ。198センチ助っ人の快投に乗せられるように自ら「オッサン」と称す男もノリノリだった。

 五回は安打を許した秋山の盗塁を阻止。今季ここまで盗塁阻止率・063と苦しんだベテランがここぞの本領発揮。さらに2番手高宮が登板した八回は、無死一塁から栗山の送りバントを機敏なフィールディングで併殺に取るなど、好守連発で交流戦4連勝に貢献した。

 4月22日DeNA戦(横浜)でメッセンジャーが心身ともに崩れた。無気力と取られかねない打席、サインの勘違い…。打席でのその態度は造反行為とも取られかねなかった。同戦マスクをかぶった藤井は「どうしたんかな…」と、メッセの心情を推し量っていた。昨季2冠の助っ人の女房役はそれでも次回登板、何事もなかったようにコミュニケーションを取った。「気持ちが捕手らしい捕手」。今季もバッテリーを組むエース能見は藤井をそう評する。男前の心強い癒やしが虎の屋台骨を支えている。

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