鳥谷は明鏡止水…気負わず構えず

 「阪神-中日」(27日、京セラ)

 阪神・鳥谷敬内野手(33)は自然体で節目のシーズンを迎える。開幕前日練習が行われた26日、開幕戦を特別視せず、シーズン143試合を見据える発言を出陣の言葉に代えた。

 「開幕を迎えるにあたって、これまで(練習を)やってきたわけじゃないので。シーズンを戦うために今までやってきたんでね」

 本番前日。それでも鳥谷の発言は普段着だった。気負うでも構えるでもなく、いつも通り淡々とした口調で胸中を明かした。毎年オフに見据えているのは晩秋までの長丁場。いかにコンディションを維持しながら、本来のパフォーマンスを維持できるか。今年もその一点に集中し、3・27までを逆算してきた。

 昨年は総仕上げの時期に背筋の肉離れが悪化し、本番前最後のオープン戦を欠場。ぶっつけ本番で開幕を迎えた。今年は心身とも充実している。遊撃手という過酷な持ち場で1466試合連続出場を継続中だ。代役を要さない33歳が全試合で先頭に立つことが、10年ぶり悲願の条件になる。

 「阪神で終われたらと思う」。年明け1月22日の会見で鳥谷はそう語った。早大時代から思いをはせたメジャーリーグへの夢に終止符を打ち、新しいシーズンを迎える。球団創設80周年という節目は4年連続キャプテンを担う男にとっても特別な1年になるはずだ。

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