能見“突っ込み”藤浪の目標は低い?

 阪神・能見篤史投手(35)が18日、沖縄・宜野座村営野球場での合同自主トレを公開。今季の目標投球回数を180イニングと掲げる藤浪へ、「200イニングちゃうんか」と突っ込むベテラン左腕は、藤浪より1イニング上回る181イニングを目標に設定した。すでに「エース譲渡」を公言しているものの、成績で負けるつもりはない。

 今季180イニング突破を目指す藤浪へ、南国から強烈な突っ込みを入れた。「200イニングちゃうんか、と。足元を見ながらやってるな」。エースを襲名するなら、200イニングを目指してほしい-。エース譲渡を宣言した能見の熱いメッセージだ。

 能見自身、昨季は2桁勝利に届かず、イニングも169回1/3にとどまった。だが12年、13年には180イニングを投げ、11年は200イニングの大台を突破した。新聞報道などで藤浪の発言はチェック済み。「能見さん、メッセンジャー、岩田さんからエースの座を奪っていかないといけない」。20歳の若武者の意気込みに頼もしさを感じながらも、エースならば「180イニング」では物足りないというのも本音。そこで自らが藤浪の高い壁になることを決めた。

 「晋太郎が180イニングと言ってるので、僕は181イニング投げられるようにしたい。負けないようにしたいと思います」

 若きエース候補にたたき付けたベテラン左腕の挑戦状。もちろん、それだけのイニングを投げるための秘策もある。「相手もデータがあるので、逆手に取りながら」。詳しくは明かさないが、新たな配球で工夫して1年間、投げ抜く考えだ。

 曇り空に描く大きな弧が、順調な調整ぶりを物語る。ソフトバンク・嘉弥真とのキャッチボールは約80メートルの距離まで達した。「(沖縄は)一切、晴れていない。雨は降らないんだけど、ずっと曇り。でも、いい練習はできている。まずはしっかり投げられるようにしたい」。例年通り、キャンプインからのブルペン入りへ視界は良好だ。

 「去年の成績のことがあるので。それを受け止めながら。やることはたくさんある」。前に出ることはないが、胸に秘める闘志が消えたわけではない。

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