大リーグの球団首脳や代理人が一堂に会するウインターミーティング３日目となった１０日（日本時間１１日）、阪神から海外ＦＡ権を行使してメジャー移籍を目指す鳥谷敬内野手（３３）の代理人、スコット・ボラス氏（６２）がメジャー契約に自信を見せた。正二塁手での獲得を検討しているブルージェイズとの接触を認めながら、アストロズなどとみられる複数の球団と話し合っていることを明かした。

　不敵な笑みを浮かべた。約８０人の日米報道陣に取り囲まれた“スーパーエージェント”の表情が自信に満ちあふれていた。イベントの会場となっているホテルのメインロビーにボラス氏の声が響き渡った。

　鳥谷との代理人契約の発表から約１カ月が経過した。「今は複数の球団と話し合っているところです。主に二塁手、メジャーレベルの選手として興味を示している」。同氏は各球団の反応のよさを口にしながら「あまりユーティリティー（控え内野手）という考えがないことをはっきりさせている」とレギュラーを求めて交渉する方針を明かした。

　本職の遊撃手以外のポジションでも問題はない。その狙いどおり、ブルージェイズは鳥谷を正二塁手として獲得することを検討。チーム数こそ明かさなかったが、同氏はブルージェイズについては「話し合いはしている」と接触を初めて認めた。

　この日、ドジャースは正二塁手のゴードンをマーリンズへ放出し、エンゼルスとのトレードで正二塁手のケンドリックを獲得した。各球団のトレードの動きが活発化しているとあって「今後の動きはトレードの結果次第」と同氏はメジャー契約への自信をのぞかせた。

　今後について「（阪神とメジャー球団の）双方の条件を見比べて熟考する」と、米球団からメジャー契約の提示を受けた場合でも、阪神残留の可能性があることを明言した。決断の期限については「ウインターミーティングの後、トリと話し合い、どんな選択肢があるのかを見ながら決めていく」と話し、日本のキャンプが始まる２月１日から逆算して球団にとっても、本人にとっても問題のない日にすると言った。阪神残留か、メジャー移籍か。事態は最終局面を迎えつつある。