福留現状維持 来季は“開幕ダッシュ”

 阪神の福留孝介外野手(37)が25日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。3年契約の3年目となる来季も現状維持の年俸1億5000万円プラス出来高払いで更改した。来季は“秋男”を返上し、開幕から1年間、フル回転を約束。チームには優勝に向けて勝利への「貪欲さ」を求めた。

 すっきりとした表情だった。昨年の契約更改後は「つまらないシーズンだった」と表情を曇らせた福留が、今年は「充実とまではいかないけど、納得できるシーズンだった」と白い歯を見せて1年を振り返った。

 つかんだ手応えは来季へとつなげる。約1時間の契約交渉で、球団からは「後半の働きを、来年は開幕からやってほしい」と言われたという。3年契約の最終年を迎えるベテランは言葉に力を込めた。

 「今年は最後にできたということは自信になる。来年は1年を通して、頭(開幕)からこういう成績を残せるようにしたい」

 今季は3月30日の巨人戦で西岡と激突して負傷。アクシデントの影響で状態が上がらず、6月には2軍調整も経験した。

 だが、ケガが癒えた9、10月は21試合で打率・357、4本塁打、13打点。9月26日の広島戦は逆転9号3ランを放ち、広島とのCSファーストS第1戦も前田から決勝弾。夏場に失速したチームを再浮上させ、日本シリーズに進出させた立役者だ。

 その感覚は頭と体に残っている。「(終盤は)思っていることと、体が一致した。来年に向けて光というか、いい材料になった。同じ事をやる中でも、進化してまた来年を迎えたい」と“開幕ダッシュ”に自信を見せた。

 来季は新井が広島に移籍したため、藤井に次いで野手ではチーム2番目の年長者となる37歳。2年連続2位のチームに対する思いも口にした。

 「僕自身も含めて、もっと1勝ということに、貪欲にいくことが必要だと思う」

 3度のリーグ優勝を果たした中日時代を振り返って「今、感じていないわけではないけど」と前置きした上で、「きょうは絶対に勝つ、という雰囲気は感じていた。その強さを(中日では)もっと強く感じた」と話す。

 もちろんチームに可能性を感じているからのゲキだ。来年こそ優勝を-。福留は言葉と背中でチームを頂点へと導く。

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