虎、情けねぇ…何が奇跡やCSも危ない

 「阪神2-8巨人」(9日、甲子園)

 勝負の9連戦初戦、阪神は大敗を喫し、首位巨人から絶望的な5・5ゲーム差に後退した。和田豊監督(52)は「前を向いていくしかない」「あとは甲子園でぶざまな試合は見せられない」と厳しい表情で話した。残り19試合、意地でも何でも示さないと…CS出場すら危ない。

 猛虎の意地にわずかな希望を託し、打倒・巨人へ精いっぱいの声を送る虎党。だが、その前で繰り広げられたのは、目を覆いたくなるような惨状だった。

 「8点ビハインドになってからの攻撃だったからね…。ここのところビハインドゲームが続いている。ちょっと苦しいな」。振り返る和田監督の言葉にも、力強さはなかった。

 “奇跡”への思いは、試合開始直後にしぼんだ。初回。1死二塁から坂本の先制2ランが飛び出すと、四回は四球を挟んでの5連打などで一気に6点を失う。次々と野手の間を抜ける巨人打線の猛攻を受け、指揮官の視線は宙をさまよった。

 対して、猛虎打線は杉内の前に三回まで完全投球を許し、8点差がついた直後の四回にゴメス、マートンの連続適時打で2点を返すが、大きなビハインドをはね返すには至らない。

 期待の左打者・今成も不発に終わる。左腕・杉内に対しても「タイプ的には合わないことはないので、あえていった」と杉内の登板試合では3試合連続となるスタメン起用。ただ、四回2死二、三塁の好機で1球も振らずに見逃し三振に倒れるなど、精彩を欠いた。

 それは、今の猛虎を象徴するような姿に映る。「狙い球が外れているんだろうが、走者を置いて簡単に見逃しているようじゃね…」。指揮官の嘆きが、宿敵相手にも覇気を感じさせない打線へのもどかしさを感じさせた。

 これで首位・巨人とは5・5ゲーム差に広がり、対戦成績も11勝11敗のタイ。目指す逆転Vへは厳しすぎる現実と直面したが、あきらめるわけにはいかない。「我々は前を向いていくしかない。甲子園でぶざまな試合はできない」。指揮官は振り絞るような声で、そう決意を示した。

 9月9日は重陽の節句。古くから祝い事が行われ、延命長寿を祈念する日でもある。「意地を見せたい」と言葉を残した和田監督。直接対決は2試合残されている。屈辱をバネに最後の粘りを見せられるか。猛虎の命の灯を、まだ消すわけにはいかない。

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