眠れる猛虎魂…今季初同一カード3連敗

 「中日2-0阪神」(7日、ナゴド)

 あまりに痛い。阪神は中日に3連敗し、今季初めて同一カード3連戦3連敗を喫した。この3連戦は打線が振るわず、27イニングで2点しか取れなかった。残りは20試合。9日からは甲子園で首位・巨人との3連戦が控えている。この嫌なムードを打破するには、もう勝つしかない。

 大失速を演じた昨年と同じ曲線が脳裏にダブる。逆襲の9月に犯した今季初の同一カード3連敗。下り坂を転げ落ちる猛虎。あらがうすべもなく、マイナスの加速度は勢いを増し、秋の気配が肌を包んだ。

 強者になりきれない。二回、2死一塁。右翼後方への打球を狩野が落球。右肩越しに飛球を追い、半身の捕球体勢から生まれた致命的なミス。二、三塁のピンチから投手の雄太に先制の適時内野安打。個人の失敗をチームでカバーできない総合的なモロさに加え、これを決勝点としてしまうのが、今の悲しき現状だ。

 焦りはさらなるミスを呼んだ。三回、1死三塁の同点機。相手は前進守備を敷いた。高いバウンドのゴロ以外はストップの指示をベンチは出していた。だが、正面かつ、低いバウンドで転がった岩貞の遊ゴロで狩野がスタートを切ってしまい、三本間の挟殺プレーで憤死。

 「あのエラーがあったから、取り返したかったんだろうけど」と振り返った和田監督。狩野のはやる心情を理解しつつも、指示に反し、反撃ムードを断った凡ミスに苦言を呈した。

 今季11度目の完封負け。3試合27イニングで得点を奪ったのは、わずかに1イニングだけ。「ゼロじゃ勝てんわな。3試合で2点しか取れてないわけだし。いずれにしても打線が奮起しないと」と低空飛行を続ける攻撃陣に頭を悩ませた。

 1勝2敗と負け越し、ゲーム差が2・5に開いた8月28日の巨人戦以降、9試合で3勝6敗。「もう1回、差を詰めて勝負をしたい」とした反攻宣言は実を成さなかった。9日から始まる今季最後のTG決戦を前に、虎を脈打つ鼓動は音を消さんばかりの雲行きだ。

 「可能性のある限り、何が起こるか分からない気持ちで。まず連敗を止めて、頭を取って。波を持ってこられるゲームをしないとな」。和田監督の口調に漂ったもの悲しさ。残り20試合。命を絶たれるには早すぎる。

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