ゴメス“バース超え”1年目84打点
「阪神8‐1中日」(19日、京セラ)
最強助っ人の呼び声高いバースの記録を超えた。しかも単なる打点付きのヒットではない。初回のビッグイニングで握った主導権を確固たるものにする貴重な追加点。4番の役割を果たした阪神・ゴメスは「ああいう形でチームに得点を挙げられたことは良かった」と充実の笑みを浮かべる。
価値あるタイムリーが飛び出したのは4点リードの二回だった。次の1点をどちらが奪うかで、ゲームの行方が決まる展開。2死一塁で第2打席を迎えたゴメスは、「打てる球を積極的に行こうと思ってた」と初球のシュートを豪快に引っ張った。
打球は痛烈に三塁線を破り、「いいベースランニングをしてもらった」と最敬礼した鳥谷が一塁ベースから一気に生還。8試合ぶりの適時打で今季通算打点を84とし、来日1年目のバースがマークした83打点を超えた。本人は「数字に興味はない。チームの勝利に貢献することだけ」と淡々と語ったが、最も重圧のかかる阪神の4番としてマークした数字だけに価値がある。
そんな助っ人の躍進を支えているのが好奇心‐。この日、試合前のフリー打撃で「ちょっと軽いかな」と言いつつ、ルナからもらったバットをブンブン振り回していた。自分の相棒にこだわらず、グリップテープを巻いた投手用のバットを借りることもある。
どん欲により良いモノを求めていく姿勢。その姿がある限り、来日1年目のブリーデンの記録(92打点)、そして大台到達も不可能ではない。