和田監督執念星「特別な試合なので」

 「阪神5-4DeNA」(1日、甲子園)

 劇的な勝利で飾った聖地90回目の生誕祭。「ちょっと水を飲んでいいか」。興奮冷めやらぬ様子で、阪神・和田監督は試合後の囲みの前にペットボトルの水を少しだけ、口に含んだ。

 「特別な試合なので、絶対に負けられないと全員が思っていた。その気持ちが最後に出たんだと思う」。安どと喜びと‐さまざまな思いが入り交じった表情で、手にしたものの大きさを語った。

 先発・藤浪が同点の四回に自らバットで勝ち越し2点打を放ち、場内の盛り上がりは最高潮に。若き右腕は六回に1点を失うも、指揮官は「(藤浪)晋太郎は、あそこを乗り切らないといけない投手。課題と思いと、というところでね」と七回の続投を決断。だが、それが裏目となり、ブランコの左前打で試合は振り出しに戻った。

 二転三転の試合。それでも聖地は猛虎へほほえんだ。福原、呉昇桓、榎田の救援陣が無失点で切り抜け、延長十回無死二塁では、ゴメスが二塁ゴロで、走者を進めた。「(ゴメスの)食らいついていく姿勢が他の選手に伝わったと思う」と指揮官も称賛の一打だ。

 そして、生まれた福留のサヨナラ打。「頭を取ったので、まずは明日しっかり戦いたい」と和田監督。泥くさくもぎ取った、聖地の誕生を祝う1勝を、再びの進撃へつなげる。

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