新井三塁守る!ゴメス加入で背水の覚悟

 阪神・新井貴浩内野手(36)が5日、母校の広島工で始動した。プロ16年目で初めて自主トレを行ったワケは「原点回帰」。新外国人ゴメスの加入で一塁のポジションが保証されない今季、「何があってもいいように」と三塁の準備があることを明かした。初心に帰ったお兄ちゃんが、がむしゃらにレギュラーを奪う。

 南天の根を掘れば小判が出る。そんな伝説が語り継がれる黄金山(おうごんざん)の麓で、新井が原点に帰った。プロ16年目で初めて始動の地に選んだのは、19年前に主将を務めた母校。父浩吉さん、そして77人の野球部員が遠巻きに見つめる中、14年シーズンを想定しながら思いっきり腕を振った。

 「もう一度、原点と言える場所でスタートを切って、今年1年、はつらつとやりたい。初心に帰るじゃないけど、はつらつと…」

 ほとばしる活気が36歳をパッと照らしたが、その一方で多難なシーズンが幕を明けることを覚悟している。タイトル?景気のいい目標設定以前に、どこを守るのか。ポジションは保証されていない。報道陣から意地悪な質問が飛んだが、新井ははっきりと答えた。

 「補強の仕方を見れば分かる。ポジション?分からない。だから何があってもいいように、しっかりと肩をつくって動けるようにしている。基本ファーストでしょ。でもまあ、シーズンは長いし、何があるか分からないので。まず、試合に出ないといけないわけだから」

 4番候補の新外国人ゴメスの守備は一塁。アクシデントがなければ開幕一塁は既定路線だ。新井がレギュラーを不動にするには選択肢を広げる必要がある。活路を見いだすために三塁守備の準備を怠るわけにはいかない。

 高校時代の旧友を相手にブンブン肩をならした。キャッチボールの距離は60メートル。「強い球、いってたでしょ」。右肩の故障で塁間の送球もままならなかった前年と比べれば雲泥の差だ。肩を順調に仕上げ、キャンプではホットコーナーで汗を流す場面もあるだろう。弟良太と定位置を争う状況がないとは言えない。昨年、新井は「(ゴメスとの)競争はない」と話した。競争に勝つ準備と、レギュラーを失わない調整を進めていく。

 1年の始動は決まって広島のジムで筋力強化に努めてきた。今年は「原点」で走って、打って、投げた。充実の2時間50分。「結果を出すしかない」。背水の決意が「はつらつ」と弾んだ。

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