虎、中田賢に“暴れ馬”のままで来て!

 阪神は17日、中日からFA宣言した中田賢一投手(31)と名古屋市内のホテルで初交渉を行った。ソフトバンクと同等の4年5億円強の条件に加え、背番号18、先発での起用方針を提示。中華料理を囲んだ交渉の席では「チームを挙げて君を待っている」と熱意を伝え、“暴れ馬”と称される投球スタイルで来て欲しいと訴えた。

 中華料理を囲んだ約1時間半、思いの丈をすべて伝えた。条件面だけではない。9年ぶりのリーグ制覇に欠かせない戦力であること、そして関西での生活をサポートする用意‐。中田はすっきりとした表情を浮かべ「すごく良い評価をしていただいた」と率直な心境を明かした。

 交渉の大半は野球談議に花が咲いた。その中で中田が驚きを持って受け取った言葉が「投手としてのスタイルが直球が強いスタイルだと言われた。それは失わずにいてほしいと言われました」。かつて落合元監督から“暴れ馬”と称された投球。細かい制球力ではなく、150キロ超のストレートを勢いよく投げ込む荒々しい右腕の姿が今、虎の台所に最も必要な要素だ。

 「投手力がしっかりしてるチーム。投げてるこちらの方も点をあげないようにしないと、なかなか勝てないチーム」と阪神の印象を口にしたが、全体的におとなしい投球をする選手が多い。特に若手で150キロ超の直球を力強く投げ込める投手は藤浪くらいしか見当たらない。

 コーナーを丁寧に突く投手が多い中で、暴れ馬のピースが相乗効果を生む。だからこそ必要だという思いを全力で訴え続けた。実際に中田も交渉の中で、本拠地となる甲子園のマウンドに立つ姿に思いを巡らせた。

 中日時代は「ヒット1本打たれただけで、球場全体が盛り上がる。追い込まれる雰囲気だった。球場全体と戦っている感じ」だった。だが味方となれば4万5000人超のファンが背中を押してくれる。「それがホームチームになると、どう変わるのかなと」。イメージも膨らんだ様子だ。

 今後はヤクルトなど他球団との交渉に臨むが、現時点で交渉済みのソフトバンクと五分かの問いに「そうですね。これから悩むと思います」と明かした。「来年、どこで投げたいか。その気持ちが一番、動くところと決めてます」。聖地で18番が躍動する姿‐。それが中田の中に刻まれたのは確かだ。

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