神の一振り!桧山が職人芸のつなぎ

 「交流戦、阪神2‐1日本ハム」(25日、甲子園)

 チームを勝利へ導く、まさに“神のひと振り”‐。1点ビハインドで迎えた九回1死二塁。アナウンスと共に、この瞬間を待ちわびていた虎党の大声援を背に受け、阪神の「代打の神様」桧山が、勝負の打席へと向かった。

 集中力は極限に高められた。「(スコアは)1‐0やからね。先発・能見が仕事をしている。負けがつくかつかないかは大きな違い」。エースの力投に応える。チームを支えるベテランの思いが、打席に集約された。

 日本ハムの守護神・武田久が1‐2から投じた4球目。「うまく肘をたたんで打てた」。内角高めの直球を、右前へとはじき返す。1死一、三塁と好機を広げる“神の一撃”で、サヨナラへの機運は最高潮に達した。

 続く西岡の3球目に、武田久の暴投で同点。二塁へ進んだ桧山は代走を送られ、大きな拍手を浴びてベンチへ退く。神様がつくった勝利への流れ。その後、2死満塁からマートンのサヨナラ打で歓喜の瞬間が訪れた。

 試合中盤まで、谷元に抑えられる展開。「(空気は)確かに重かった。いい試合をしながら、打線が打ちあぐねていたから」。それだけに大きな勝利だ。「能見に負けがつかずチームが勝って、最高やね」。ベテランも満面に笑みを浮かべた。

 何よりうれしかったのは、若手の躍動だ。自身がベンチへ退いた後、1死一、二塁で28打席安打なしの大和が打席に入る。「こういう時に出るんちゃうかな」。山田バッテリーコーチと話した直後に、大和が遊撃内野安打でつなぐ。そして、涙を流して勝利を喜んだ。

 「誰もが通る道。出続けるのが苦しい時期もある。それを乗り越えて、本当のレギュラーになるんだ」。自身も今季は開幕から安打が出ずに苦しんだ。それを乗り越えた今、勝利へ貢献している。ひたむきな大和の姿に、また刺激を受けた。

 「人それぞれの立場で、いい経験をしている。僕も頑張ります」。仲間の心を知るベテランの存在。それこそが、猛虎の強さとなっている。

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