榎田が2勝目“思い出の地”で快投

 「巨人1‐8阪神」(18日、東京ド)

 プロへの礎を築いた舞台で輝いた。今、虎で最も安定感のある榎田が強力打線を翻弄(ほんろう)。巨人が昨季から重ねてきた東京ドームでの連勝街道を14で止めた。

 「内容は最悪でした」。胸のすくような結果を導いた左腕の第一声は、観客席の笑いを誘った反省の弁。巨人2連勝の背番号13がはにかんだ。

 「きょうはスライダーもチェンジアップも抜けていたし、真っすぐも良くなかった。五回か六回で捕まるんじゃないかと思って投げていた。低めを意識?そこはあまり気にせず、日高さんのミットめがけて投げた。そんなにいいボールじゃなくても、フライでアウトをとれたのは大きかった」

 鳥谷、福留の適時打で初回に2点のアドバンテージを受け、マウンドに上がった。出だしを三者凡退で切り抜け、前夜の大敗ムードを払しょく。波に乗るはず…だったが、八回途中、安藤にマウンドを譲るまで、先頭打者に5度出塁を許すなど、自己採点は不本意なもの。それでも、和田監督が「ドームで抑えるお手本」と絶賛したように、要所を締めスコアボードに0を並べた。

 1、2戦目で能見、スタンリッジが被弾した阿部に対しては、二回に抜け球で死球。四回無死一、二塁のピンチでは、2球目のスライダーが失投で高めに浮いたが、右飛で難を逃れた。そして3打席目の六回は3球目のチェンジアップが抜けて顔付近を通過。平行カウントからカットボールが再び甘く入ったが、またも右飛に…。そんな“運”も味方につけた。

 「あのとき、東京ドームで勝ったことが自信になっている」。敵地は社会人東京ガス時代の庭。都市対抗では2年間で防御率2・48を誇り、1年目の09年に若獅子賞(新人賞)を受賞するなど、プロへの道を切り開いた縁起のいい舞台だ。

 この快投で防御率は0・385。広島・前田健の0・391を抑え、トップに躍り出た。「今度はしっかりと最後まで投げきりたい」。次回完投劇を誓った榎田が、巨人追撃の旗頭になる。

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