ノムさん“毒ガス口撃”投手陣「心配」

 阪神元監督で野球評論家の野村克也氏(77)が15日、沖縄・宜野座キャンプを訪問した。西岡剛内野手(28)、福留孝介外野手(35)ら野手陣の大型補強に一定の評価をしながら、投手陣の駒不足を指摘。今季の阪神に対して暗雲を暗示する強烈な“毒ガス”攻撃で、古巣に警鐘を鳴らした。

 数々の修羅場を戦い抜いた名将の目には、ハッキリと今季への不安要素が映っていた。外はあいにくの雨模様。その室内練習場で、ノムさんは和田監督と並び約2時間、打撃練習を見つめた。

 「冷やかしに来ました。(和田監督に)激励だけはしておきました」と切り出したノムさん。昨季は5位に沈み、2年連続Bクラスの猛虎に「今年はAクラスに入らないとね。大丈夫だよ…と思う」。Aクラスに太鼓判?しかし、心なしか歯切れが悪く聞こえる。

 昨季不振だった打撃陣は西岡、福留、コンラッドの加入で厚みを増した。これには「打線の方は文句なしでしょう。福留、西岡を補強して」と高評価。ただ、大きな課題は残されたままだ。ノムさんは「野球はピッチャーだけどね」とつぶやくと、得意の“ぼやき節”が止まらなくなった。

 抑えの球児がメジャー移籍し、久保を先発から配置転換。その先発陣には能見、メッセンジャー、スタンリッジ、岩田に加え、新人・藤浪らの名前が挙がる。だがノムさんは「ローテーションも聞いたけど…そこのところが、ちょっと心配」と指摘した。

 「77年というプロ野球の歴史の中で、攻撃力で優勝したチームはない。V9の巨人も王、長嶋が目立っていたけど、いい投手がそろっていた」と熱弁。“野武士軍団”と言われた黄金期・西鉄の稲尾、河村、島原の投手力の高さも例に挙げた。

 野球は投手‐。ノムさんの観点から見れば、新人・藤浪の開幕ローテが確実視され、共に先発枠を争うメンバーも岩本、秋山、伊藤和と若手が並ぶ。球児の抜けた救援陣も、その穴を埋める計算が立ったとは言い難い。現時点で虎の投手陣が未知数なのは確かだ。

 最後は不敵に「乞うご期待」と締めくくり、宜野座を後にしたノムさん。希代の名将が残した“予言”を覆せるのか。和田虎の真価を問われるシーズンまで、まだ時間は残されている。

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