「サッカー天皇杯・決勝、鹿島2-1川崎」(1日、吹田サッカースタジアム)
鹿島が延長の末、川崎を下して6大会ぶり5度目の優勝を飾り、史上最多を更新する国内主要タイトル19冠目を獲得した。1-1の延長前半4分、途中出場のMFファブリシオ(26)が決勝点を挙げた。初の決勝進出で悲願のタイトルを目指した川崎は準優勝に終わった。大阪で天皇杯決勝が開催されるのは、古河電工(現J2千葉)が優勝した第40回大会(昭和35年)以来56大会ぶり。
照れ笑いを浮かべながら、元日の大阪の空に石井正忠監督(49)は高々と天皇杯と掲げた。「シーズン締めくくりの試合にしっかり勝ち切ることができて本当に良かった」。主将の小笠原からカップを真っ先に掲げることを促され、「日頃から(小笠原が)犠牲心を払いながらプレーしている現れ。本当にうれしく思った」と感謝の言葉を並べた。
リーグ戦を4連敗で終えながら、11月23日のチャンピオンシップ(CS)準決勝・川崎戦(等々力)を皮切りに40日間で10試合を戦い抜いた。CS、クラブW杯、天皇杯と息つく暇もない連戦を8勝2敗で乗り切る“V字回復”ぶり。石井監督はメンバーをほぼ毎試合入れ替えながらも力を落とさず勝ち切った。天皇杯決勝でもFW金崎夢生が体調不良のため準決勝に続いて欠場したが、エース不在の影響を感じさせず頂点に立った。
敗れたのはCS決勝第1戦の浦和戦(0-1)とクラブW杯決勝レアル・マドリード戦(2-4)のみ。2つの優勝と1つの準優勝を手にした指揮官は「タイトルを取ったものにしかない、勝負どころが分かるということ」と鹿島の勝負強さを説明した。
来季はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を戦う。新潟からMFレオ・シルバ(31)、神戸からFWペドロジュニオール(29)、福岡からFW金森健志(22)を獲得するなど、ACLに向けて選手層は厚みを増す。DF昌子源(24)は「今シーズンは鹿島の年になったけど、来季も鹿島が一番上と思われるように、Jリーグ全体を引っ張っていける鹿島でありたい」と強い自覚を口した。リーグ戦と天皇杯の2冠は、史上初となるリーグ3連覇のスタートだった07年以来のシーズン複数タイトル。常勝の礎は、再び築かれようとしている。