【連載・下】初戦で露呈した世界での経験不足

 「手倉森JAPAN 敗退の裏側・下」

 「世界の修羅場を経験していない監督と選手が、つまらないミスをしたら痛い目に遭うと思い知った」-。手倉森監督はそう言って大会を振り返った。序盤の失点で平静を欠き、ミスを繰り返したナイジェリア戦。世界を知らないという弱点が大事な初戦に最悪の形で露呈した。

 手倉森監督も世界大会は初めて。オーバーエージ(OA)枠3人の国際Aマッチ出場数は興梠16、藤春3、塩谷2の計21試合。五輪、W杯の出場歴はない。世界大会経験者は11年U-17W杯メンバーの南野(ザルツブルク)ら7人だけだった。

 五輪の直近世代となるU-20W杯には、07年を最後に4大会連続で出場権を逃している。手倉森監督は「足りないものは経験。U-20W杯を経験していれば今回の下手な失点は防げた」と経験不足を敗因の一つに挙げた。

 20年東京五輪で中心となるU-19代表は、10月のU-19アジア選手権で5大会ぶりのU-20W杯出場を目指す。この世代は14年に4大会続いていたU-17W杯出場を途切れさせている。今回も敗れることがあれば、世界を知らないまま東京五輪を迎えることになり、リオ世代の二の舞となりかねない。

 U-19代表は精力的に海外遠征を繰り返し、強化を図っている。ただ、代表活動はリーグ戦の最中とあって、トップチームに絡む有力選手の招集にクラブ側が難色を示す場合もある。自国開催の五輪で今回と同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。本気でメダル獲得を目指すなら、日本協会、Jリーグが一体となった全面バックアップ体制が必要となる。「下部組織の年代から、全クラブ、協会を通じて代表強化をやらなければ」という手倉森監督の言葉は重い。リオの“宿題”の答えは、4年後の東京で出る。

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