広島・浅野、涙のラストマッチ 無念不発に「最後まで僕らしい試合だったかな?」

 「J1、広島2-2横浜M」(17日、エディオンスタジアム広島)

 イングランド・プレミアリーグのアーセナルに移籍する広島のFW浅野拓磨(21)が国内ラストゲームに臨み、横浜Mと2-2で引き分けた。横浜Mは首位に立ち、磐田と1-1で引き分けた年間勝ち点首位の川崎が総得点差で2位、浦和は大宮と2-2で引き分け、得失点差で3位。

 悔し涙でも、うれし涙でもなかった。「なんでしょうかね…。家族に花束をもらった時には、胸に込み上げるものがあった」。試合後の壮行セレモニー。両親と妹から花束を受け取ると、目頭がじわりと熱くなった。

 「最後の最後まで僕らしい試合だったかな?」と90分間を振り返った。後半38分、右からのクロスにニアサイドでつぶれ、一時は逆転となるFW佐藤のゴールに絡んだものの、シュートは1本のみで無得点。「サッカーの神様が『もっともっと頑張れ!!』って言ってるような気がする」。いつもそうして成長してきた。

 世界屈指の強豪への移籍。待ち受ける障壁は高いが、佐藤が「拓磨だったら、どこか難しい扉をこじ開けてくれるのではないかと期待ができる」とチームメートの気持ちを代弁するように、21歳の若武者には無限の可能性が秘められている。

 セレモニー後には同僚の手によって胴上げされた。背番号と同じく10回、広島の夜空に舞った。「でっかい壁にぶつかると思うが、その時こそ広島で培った、ひたむきにコツコツとやることが生きる」。感謝の気持ちと挑戦者としての心を胸に、大きな世界へと飛び出す。

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