「Ｗ杯アジア２次予選、日本－カンボジア」（９月３日、埼玉）

　日本サッカー協会は２７日、Ｗ杯ロシア大会アジア２次予選のカンボジア戦（９月３日・埼玉）、同アフガニスタン戦（同月８日・テヘラン＝イラン）に臨む日本代表メンバー２３人を発表した。海外組を含めたフルメンバーを招集したバヒド・ハリルホジッチ監督（６３）は「（自身が就任後）７試合で一度もＰＫがない」と話し、得点力不足の解消へＰＫを誘発するプレーの必要性を示した。

　無条件で最終予選進出が決まる１位突破に向け、勝利が絶対条件となる２連戦。代表発表の席でハリルホジッチ監督はＰＫの必要性について熱弁を振るった。「私は１７歳の時、ＦＷだった。長い年月で多くの得点を取り、何度もＰＫを取った。ボールを見るかわりに相手を見て、相手が押してきてＰＫ。その得点で勝ったことも数多くあった。それを日本のＦＷに教えたい」。時にはエリア内でファウルを得ることも重要であると説いた。

　得点力不足は深刻だ。６月のシンガポール戦では２３本のシュートを放ちながら無得点。国内組で挑んだ東アジア杯もゴール前の精度を欠いた。指揮官は「（就任から）５カ月、日本にいるが、ＰＫを一度ももらっていない。９０％支配したシンガポール戦もだ。これはノーマルじゃない」。何が何でも１点が必要な際にはＰＫをもらいにいくことも「ずるがしこいのではなく、インテリジェンスだ」と言い切った。

　ＦＩＦＡランクでは５６位の日本に対し、カンボジアは１８０位、アフガニスタンは１３４位と超格下。相手はシンガポールと同様に守備に徹する戦術をとってくることが濃厚だ。「１点を取るのが難しい試合になることもある」と指揮官。ＭＦ香川、ＦＷ本田、岡崎ら海外組を含めたフルメンバーを集めた上で“奥の手”といえるＰＫ誘発テクも授けて２連戦に臨むつもりだ。

　「２回目の言い訳はしたくない。得点を取り、勝たないといけない。全員を満足させる試合をする」。同じ轍（てつ）を踏むわけにはいかない。指揮官の言葉には強い決意がにじんでいた。