ハリル大胆采配!先発は新生3トップ

 「キリンチャレンジカップ、日本2-0チュニジア」(27日、大銀ド)

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(62)は2つの顔を見せた。1つ目は教育者。そして2つ目は勝負師と言ったところか。濃密な90分で初陣を飾った指揮官は会見で「非常に満足している」と納得の表情を浮かべた。

 まず見せたのは教育者の顔。指揮官が就任後から常に求めてきた「アグレッシブさ」を戦う姿勢と置き換えるならば、その気概は確かに見せた。戦術練習はわずかに2日間だったが、ミーティングは合宿を通じて8回実施。「満足はしていないが、選手は要求をかなりやろうとしてくれた」と振り返る。

 選手たちが懸命に要求に応えようとし、変貌を遂げた要因をさらに挙げるならば徹底的な“競争原理”だ。先発に起用したGK権田、FW川又らは指揮官が自ら視察に赴いたリーグ戦で結果を残した選手。「まずは機会を与えたかった。(後半から投入した)本田、香川らの質は知っているから、他の選手に与えようと」。不発に終わったものの、川又、永井、武藤で構成した新生3トップは大きな期待を抱かせた。

 相手の運動量が落ちた後半途中からは本田、香川、岡崎ら主力クラスを次々に投入。勝負どころをしっかりと読み切って、FIFAランク上は格上となる相手から大きな勝利をもぎとった。

 「このチームはもっと伸びる。世界で何がハイレベルか、私は知っている。それを見せたい」。ハリルジャパンの完成形はまだまだ分からない。だが、“奇術師”の異名を持つ指揮官とともに、日本はもっと強くなる。

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