C大阪J2降格…晩秋の長居で桜散る

 「J1、C大阪1-4鹿島」(29日、ヤンマー)

 日が傾き始めた空に、J2降格を告げる笛が鳴り響く。クラブ史上3度目の屈辱。選手たちはうなだれ、C大阪サポーターは声を失った。負ければ降格という一戦で4失点。MF扇原は「自分が育ってきたクラブ。申し訳ない気持ちがすごくある」と肩を落とした。

 ホーム最終戦後のセレモニーでは『史上最攻(=今年のスローガン)は経営だけ 大事な強化は空回り 20年間の経験を財産にできないクラブに花は咲くのか?』と、書かれた横断幕が掲げられた。21日に辞任を発表した岡野社長のあいさつはブーイングにかき消された。

 今季はW杯南アフリカ大会MVP&得点王のFWフォルランを獲得し、優勝候補にも挙げられた。だが、大物助っ人は26試合7得点と年俸6億円(推定)に見合う活躍を見せられず、この日もベンチ外となりスタンドで観戦した。

 監督人事でも迷走した。今季就任したポポビッチ監督を6月に成績不振で解任。後任のペッツァイオリ監督はリーグ戦で1勝すらできず、9月にシーズン2度目の監督交代という異常事態に至った。

 今後は若手中心に大量流出の危機にさらされる。既にDF丸橋が鹿島から、MF扇原が神戸から、FW杉本が川崎から正式オファーを受けている。海外志向の強いW杯ブラジル大会日本代表MF山口、U-19日本代表FW南野らにもオファーが届く可能性もあり、宮本強化本部長は「戦力を維持しないとJ1には戻れない」と、慰留に全力を傾ける。

 選手たちは去就についても「今は何も考えられない」と口をそろえた。創設20周年のクラブを襲った悲劇。晩秋の長居で、桜は散った。

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