柿谷が涙の別れ…あいさつ声にならず

 「J1、C大阪1-2川崎」(15日、金鳥スタ)

 W杯のために中断したリーグ戦が約2カ月ぶりに再開し、アジア・チャンピオンズリーグで未消化だった2試合を行った。スイス1部リーグ・バーゼルに完全移籍する日本代表FW柿谷曜一朗(24)のラストマッチとなったC大阪は、川崎に1‐2で逆転負けした。川崎は日本代表FW大久保嘉人(32)が得点し、3位に浮上。広島は横浜Mに1‐2で逆転負けした。

 柿谷は泣いていた。試合後の惜別セレモニーの出番を待つ間から、顔をタオルで覆い、目を赤く腫らしていた。カクテル光線に照らされ、ピッチに立った背番号8は声を振り絞った。

 「こんばんは。スイスの‐」

 声にならなかった。恋い焦がれた背番号8を1年半で脱ぐことを、1万5873人のサポーターにわびた。

 「自分から8番のユニホームを脱ぐことをどうしてもしたくなかった。優勝して出ていくと、あれほど言っていたのに、自分から出ていくことになり申し訳ありません」‐

 ようやく自らの言葉で伝えることができた。バーゼルへの完全移籍が発表された7日には「自分の口でサポーターに伝えられなかった。本当に悔しい」と唇をかんだ。

 後半38分からピッチに立ち、クラブへの思いをかみしめるように、ホームのピッチを駆け抜けた。わずか7分間の出場だったが、シュート0本に終わり、逆転勝ちに導くことはできなかった。「もっともっと強くなって、8番が似合う選手になって帰ってきます」と、本当のエースになることを誓った。

 チームメートに胴上げされ、8度宙に舞った。“曜一朗コール”を全身に浴びながら場内を一周し、深々と頭を下げてピッチを後にした。涙は最後まで止まらなかった。

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