Ｊ２横浜ＦＣのＦＷ三浦知良（４５）が４日、この日に引退会見を行った中山雅史（４５）＝コンサドーレ札幌＝に惜別の言葉を送った。３日に電話で引退を告げられたと言い、「（会見は）無理に元気にしている印象だった。ゴンは、メディアの前では明るく振る舞いますけど、普段は暗い。僕と逆ですから。ちょっと寂しさというか…。あいつがいたから僕自身も、ここまで来れた」と目をぬぐい、寂しさをかみしめた。

　涙だけで語り尽くせないのが、この２人らしいところ。思い出の１つとして、２０年前に日本代表でオランダに遠征した時のエピソードも披露した。「どうしたら日本が強くなるだろうって。公園に行って芝生で寝て、Ｗ杯行きたいなって…」。熱く語らうカズとゴンだったが、ふと見回すと「全員がゲイのカップル」。異様な空気の中、「おれたちもそう思われているのかな」とすごすごと宿舎に帰ったという。

　中山が、１０年に手術した両膝のリハビリに耐え抜いて試合に復帰したことにも「ゴンにしか乗り越えられない痛さ。走ったりするのも大変と（中山が）言っていた」と思いやった。今後についても「グラウンドで一緒に立つことはできると思う。サッカー界を離れてほしくない」と望んだ。

　自身は４６歳になる来季も現役を続ける。「さらに（現役への思いが）強まったということではなく、自分ができる限りやりたい」。ゴンの魂もカズは背負う。