山中“神の左”さく裂V12!5度のダウン奪い“お仕置き”7回TKO

 5回、カルロス・カールソンの顔面に左ストレートを放つ山中慎介(左)
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 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(2日、両国国技館)

 日本ボクシング界、不滅の大記録に王手-。王者・山中慎介(34)=帝拳=が、同級6位カルロス・カールソン(メキシコ)を7回TKOで下し、日本歴代単独2位となる12度目の防衛に成功した。“神の左”で挑戦者を5度倒す圧勝劇。次戦で防衛に成功すれば、具志堅用高の持つ日本記録、防衛13回に並ぶ。

 痛烈な“制裁”だ。ゾンビのように立ち上がってくる挑戦者に山中がこれでもかと左をたたき込んだ。7回、連打でマットにはわせ、最後はガードの間を貫く左ストレート。この試合5度目のダウンを奪ったところで、レフェリーが試合を止めた。

 「5度倒して良さも悪さも出た試合だった。序盤、左のタイミングは合っていたけど、体重が乗り切らず徐々に修正していった。やっとリズムが出てきたところだったんですけどね」。快勝を涼しい顔で振り返った。

 前日計量後にカールソンの陽気な言動に「イラッと来る。試合できっちり決着をつけたい」と話していた山中。その言葉通り、立ち上がりから積極的に左を当てた。5回、左カウンターで最初のダウンを奪うと、ロープ際で放った左フックで2度目。6回は左の打ち下ろしで倒し、7回の2度も左。タフな挑戦者を「神の左」でボロ雑巾のようにした。

 日本歴代単独2位の12連続防衛。世界戦でのKO勝利「9」は内山高志に次ぎ、具志堅用高に並ぶ2位タイだ。

 山中の左ストレートは、人さし指のナックルだけで打つ。大和心トレーナーは「普通は中指や薬指と一緒に2つ、3つです。山中のような打ち方は見たことがない」と舌を巻く。そして、狙った部分を正確に打つ。点で点を打ち抜く技術、そこから生まれる威力こそ「神の左」だ。

 力の差を見せつけたV12だったが、「行きすぎてもらう場面もあったし、クリンチワークも課題」と反省点を挙げた。今秋に予定する次戦は日本記録に並ぶ13連続防衛がかかる。「皆さんが期待して、楽しんでもらえばいい」と笑顔。本田明彦会長は「次、具志堅の記録は大変なんだから誰でもいいというわけにはいかない。(同級3位の)ネリーとか、いい選手を探します」と、強敵によるお膳立てを約束した。

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