45歳辰吉、現役への強い思いを語る
ボクシングの元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎(45)が23日、都内で行われている東京国際映画祭で自身のドキュメンタリー映画「ジョーのあした-辰吉丈一郎との20年-」(来年2月公開予定)の舞台あいさつに立った。阪本順治監督(57)と登壇。「『あさってのジョー』はいつ撮るの?」と同監督に催促するなど、現役への強い思いをあらためて語った。
六本木ヒルズで行われた舞台あいさつ。リング入場曲「死亡遊戯」とともに登壇した辰吉丈は“タツヨシコール”に「うれしいね」と笑顔で応えた。前日のレッドカーペットではスーツだったが、この日はジャージー姿。「これが彼の正装」と阪本監督が説明した。
同監督は、網膜はく離の既往症のため日本でノンタイトル戦ができなかった95年8月のラスベガスから撮影し続けてきた。映画は「彼の発言の重みを大事にした」と、インタビュー中心で試合映像はほとんどない。「一人の男の引き際についてしつこく聞いた」とその人生観に迫った。
「引退したら(映画にしよう)と思っていたが、なぜか引退されないので撮り続けていた」と言い、「(撮影して)20年の節目と(次男)寿以輝君がデビューしたこと」で形になった。「辰吉君は、オレが終わってないのになんで映画が終わるんだ?と聞いてきた。『ジョーのあさって』はいつ撮るんだ?とも」と苦笑いする。
対して、「オレにはこうして終わりたいというこだわりがあって、そこへ向かってやっている。あともうちょっとなんです」と現役への強い思いを口にした浪速のジョー。「ジョーのあさって」の製作は未定。ただ阪本監督は「それが親子の話になるのか、それとも…」と、新たな構想も頭の片隅にあるようだった。
