名城、王座奪取に自信!敵地の洗礼だ
「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(9月1日、住吉SC)
WBAスーパーフライ級タイトルマッチの予備検診が29日、大阪市内の病院で行われ、2度目の王座返り咲きを狙う元同級王者の名城信男(30)=六島、3度目の防衛を目指す王者テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)ともに異常なしと診断された。試合を目前に控え、名城陣営は王座奪取の秘策としてVメガホン1500個を用意。野球観戦の応援で使用されるのと同じ製品を観客に配り、鳴り響く大音量で王者にプレッシャーを与える。
確実に勝つためにも、王者に敵地の洗礼を浴びせたい。昨年11月、名城はタイでWBC王者スリヤン・ソールンビサイに挑戦したが、アウェーの雰囲気に苦しんで失敗。2試合ぶりの日本での世界戦は、観客も味方に地元の有利さを生かしたい。
名城陣営が用意するVメガホンは1500個。入場者の先着順に配布する。「名城のパンチが当たるたびに、Vメガホンを打ち鳴らしてほしい」と枝川会長が懇願。3500人収容の会場で、3分の1の観客がVメガホンを鳴り響かせれば、声援以上の威力を期待できる。
同会長がVメガホン作戦を発案したのは7年前。05年11月、名城のWBA世界スーパーフライ級挑戦者決定戦だった。その時は少数を試しただけで、お蔵入り。今回は50万円の予算を投じてそろえた約10色のVメガホンを、すべて放出する。
作戦実行を決めたのは、陣営でタイ語の通訳を務めるプーム氏の漏らした一言がきっかけだった。「後楽園ホールのように狭い会場で、日本人の観客の声援が大きいと、タイ人の選手と陣営は指示が通じなくて焦る」‐。今回の会場、住吉スポーツセンターは中規模で、同様の効果を見込んでいる。
この日の予備検診で、名城は王者と初対面。身長で2・1センチ上回り、「こんなに小さい相手は初めて。有利でやりやすい」と自信を深めた。ジムに戻って秘策の決行を知ると、「会場のみんなに盛り上げてもらえれば、ありがたい」と笑みを浮かべた。
