【スポーツ】もったいない?!年末の世界戦ラッシュ

 今年も年末にボクシングの世界戦が固めて行われる。ダブル、トリプル-競い合うように豪華な対戦カードが組まれるので、ファンはどの会場に行くか、テレビで見るのならどのカードを生で見て、どのカードを録画しておくか考えを巡らさずにはいられないはずだ。

 今年は30日に有明コロシアムで行われる大橋ジムの興行でWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥が、前WBA世界同級王者の河野公平(ワタナベ)を迎え4度目の防衛戦を行う。また、IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東がサマートレック・ゴーキャットジム(タイ)と2度目の防衛戦。さらにロンドン五輪金メダリストで、主要4団体で世界ランキング入りする村田諒太(帝拳)の世界前哨戦もある。

 31日は、昼の興行で前WBO世界ミニマム級王者の田中恒成(畑中)が岐阜メモリアルセンターで、WBO世界ライトフライ級王座決定戦を行う。

 夜には東京・大田区総合体育館でワタナベジムの興行。内山高志が5月にWBA世界スーパーフェザー級のベルトを奪われたジェスレル・コラレス(パナマ)の再戦。WBA世界ライトフライ級王者の田口良一がカルロス・カニサレス(メキシコ)を迎え5度目の防衛戦に臨む。

 また島津アリーナ京都では、WBA世界フライ級王者・井岡一翔(井岡)が暫定王者のスタンプ・キャットニワット(タイ)と、王座統一戦となる4度目の防衛戦。小国以載(角海老宝石)は、IBF世界スーパーバンタム級王者のジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)を相手に、世界初挑戦する。

 NHKの「紅白歌合戦」を筆頭に、大みそかの夜のテレビ番組には特別感がある。よく言えば非常にぜいたくだ。とはいえ、この世界戦ラッシュには、ファンもゲップが出るのではないか。これだけ試合が重なれば、新聞紙面でもいくつかの試合は扱いが小さくなる。ざっくばらんに言えばもったいない。

 当事者の話を聞いてみよう。ワタナベジムの渡辺均会長は「本当はぶつかり合うのは避けたいですよね。でも、こればかりはウチだけでは決められませんから」と言う。一方、大橋ジムの大橋秀行会長は「格闘技があるので30日にしていますけど、本当は31日にやりたいですよ」と言う。

 テレビ局の思惑が年末のボクシングラッシュを生んでいる。できることなら、各局スタッフが集まって「年末年始ボクシングサミット」を開催し、各世界戦の効果的な露出の仕方を考えてはいかがだろうか。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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