【芸能】松崎しげる「黒フェス」の真意

 年間を通して日本全国で開催されている音楽フェス。今夏も、「フジロックフェスティバル」や「a-nation」など、多くのフェスが開かれた。

 そんな中、歌手の松崎しげる(65)がソロデビュー45周年を記念して6日、千葉・幕張メッセで音楽フェス「黒フェス~白黒歌合戦~」を開催した。

 自身初主催の音楽フェスだったが、白と黒をテーマにしながらも“異色”なフェスは7時間さまざまな点でにぎわせた。

 もちろん他の音楽フェスでも豪華な出演者だけでなく、観客を楽しませる仕掛けは多々ある。例えば、日本最大級のフェス「フジ-」は新潟県での開催だけに地酒を販売、グッズも現地でしか手に入らないようなものが多い。

 一方の「黒フェス」も、やるからには徹底して「黒」にこだわった。開催日も松崎の褐色肌をイメージした「黒の日」に合わせ、9月6日。出店では、松崎と似た肌の色で有名な、洋食店「たいめいけん」の茂出木浩司シェフが作る“黒カレー”を出品するなど、黒づくしとなった。販売メニュー、日にちだけでなくシェフにまでこだわりを貫いたことには意表をつかれた。

 この日は、ももいろクローバーZ、西田敏行、大友康平、ゴスペラーズ、コロッケ、清水ミチコ、葉加瀬太郎など松崎と縁のある13組が集結したが、「黒フェス」はソロデビュー45周年を記念してという理由だけで開かれたわけではない。

 関係者によると「松崎自身、団塊の世代ということもあり、『同世代の友人からも元気がもらえていいよとよく言われる』と話している。松崎が『こんなに頑張っているという所を見せることで、元気を出してもらおう』との意味を込めての開催でもある」という。元気な65歳の“意地”が今回のフェス開催につながったようだ。

 実際、現場にはモノノフ(ももクロファンの通称)を中心に、比較的低い年齢層の観客が目立ったが、高い世代も来場していた。少なからず、今回のフェスでいい影響を受けた観客がいたことは間違いないだろう。

 同時に、モノノフが「黒フェス」を支えたことも間違いない。松崎はももクロの大会場でのライブに何度もゲスト参加し、自身の代表曲「愛のメモリー」の替え歌で次回のビッグイベントの告知をするナビゲーター的な役割が定着している。そんな“縁”もあって、モノノフに支持されているのだろう。

 「黒フェス」はこれまでとは逆に、松崎のイベントにももクロが初めて参加するケースとなった。ももクロの出番は最後から数えた方が早かったが、ほとんどのモノノフたちは約7時間も会場を抜け出すことなく、盛り上げ続けた。松崎も「やっぱりモノノフたちはいいね。しっかりと聴いてくれる。地方に行ったらモノノフが来るのよ。あいさつがいいの」と大絶賛した。

 成功とも言える今回の「黒フェス」は次回開催も期待される。同関係者は「出てくださる方のスケジュールが合わないこともあるので…」と問題点を話すも、「松崎本人も『やれたらいいね』とは言っている。常に前進する人間だから、何かしら行うのでは」と、松崎の今後への意欲を明かした。

 幅広いジャンルのアーティストが参加しながらも、多くの面でこだわりを持った黒フェス。定期的にとはいかないまでも、今回のようなイベントを開催し老若男女に活気を与え続けてほしい。

 (デイリースポーツ・田中哲)

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