都会っ子、日ハム・浅間にスターの予感

 5月に入り、パ・リーグは1、2軍ともに日本ハムが好調だ。特に2軍は、昨年とは桁違いのペースで勝ち星を伸ばしている。昨季は借金20で、最下位。4月を首位通過の1軍同様に、2軍も1位通過。勝敗より育成に主眼を置くファームとはいえ、選手層が厚くなっていると感じさせる。打線好調の要因は、昨年のドラフト3位入団の浅間大基(横浜高)の活躍が大きいと言われている。

 その浅間が、5日にプロ初の1軍昇格を果たした。その日のうちに「2番・センター」で先発起用されると、四回に中前へプロ初安打。初得点、初盗塁も記録し、お立ち台にまで上った。

 他球団編成陣から、今年の高卒野手でナンバーワン選手との呼び声が高い。1年目で打率3割を超え、4日を終えた時点でイースタンリーグ1位の42安打を放っている。規定打席以上の打率5傑入り。他球団ベスト5入りの選手を見ると、1位の楽天・中川は7年目の25歳。2位のDeNA・白崎は駒大卒で12年ドラフト1位。ファームといえども、高卒1年目が3位に入るのは異例のことだ。

 あるパ・リーグ球団の編成担当者は「高校生の野手で一番だろうって他球団の編成も言ってますよ。外野にいい人材がいるけど、2、3年後に押しのけても入ってくる逸材ではと評判です」と言う。同期入団で2位の清水も「あいつのバッティングは別格です」と、すごさを認めている。高校生離れした打撃は周囲が認めるところだ。

 打撃もいいが、50メートル6秒の快足に遠投100メートル。3拍子そろった大型高卒ルーキー。さぞ、子どものころから野山を駆け回り、自然とふれ合い、強じんな運動能力を培ってきたのではと思いきや、彼は都会の中の都会っ子。新宿生まれの新宿育ちなのだ。

 そんな都会っ子だが、幼少の頃からの経歴は華々しい。ヤクルトの本拠地・神宮にほど近いこともあり、ヤクルトのジュニアチーム入り。中学時代は新宿シニアで投手兼外野手としてプレーし、全国大会に出場した逸材だ。

 「当時から有名だったそうです」と山田スカウト顧問。当時のドラフトの様子を「欲しい選手だったけどね。3位でまさかよく残ってたって言ってるんだけど」とニヤリ。東京出身の栗山監督も「東京から、いいプロ野球選手が誕生することは多いんだよ」と喜ぶ。

 出身中学校は眠らない街、新宿・歌舞伎町へ直線距離にして5キロ圏内。生粋のシティーボーイが、球界のスターダムにのし上がること、期待大だ。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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