阪神からオリ移籍白仁田の背水シーズン

 阪神からオリックスにトレードで移籍した白仁田寛和投手(29)が、自身初の開幕1軍をかけ奮闘中だ。「常に気を許さず、引き締めて過ごしている」と充実したプレシーズンを過ごしている。

 宮崎キャンプでは体重移動を重視し、左足をまっすぐに踏み出すなどフォームを若干、改造。オープン戦は19日現在で5試合に中継ぎ登板し、通算7回を無失点、1セーブと安定感をみせている。四球もわずか1個だ。

 15日の広島戦では、登板予定ではなかったものの、先発・前田の早期KOで急きょ出番が回ってきた。そんな中で2回を1安打無失点。「シーズンではこういう登板もあり得る。結果を残したい」と前向きに捉えて結果につなげた。

 阪神時代は2007年の大学・社会人ドラフトで1巡目指名を受けたが、昨年まで通算6試合登板で1勝0敗と、結果を残すことができなかった。

 今年は春季キャンプを1軍で迎えた。あるとき、練習を見終えた森脇浩司監督がぽつりとつぶやいた。「白仁田が何とかならないかな、と思っているんだ」。

 未完の右腕に対して「通用するボールはある。投手はいい球を投げるだけでなく、打ち取ること、打ち取って終わりではなく、走者を出したときの対応が大切」と高いレベルへの脱皮を求めていた。

 「正直、今年がラストイヤー」と、あえて厳しい言葉で表現したこともあった。「阪神時代の(低迷した)流れがあって、うちへ来た。本当に覚悟を決めて1日1日、悔いを残さずやってもらいたい」。突き放すようにも聞こえるが、実際は穏やかな性格の白仁田に奮起を促す愛のムチ。期待の表れだろう。

 昨年のオリックス中継ぎ陣を支えた右腕の比嘉、岸田がケガで出遅れているだけに、白仁田の存在が重要になってくる。

 本人は「今は少しバランスが悪く、調子が落ちている感じはするので戻していきたい」と微調整に励んでいる。開幕まであと1週間。指揮官の期待に応えて今年こそ、花を咲かせたい。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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