阪神 カギ握る先発6番手の底力アップ

 シーズンの約半分、73試合を勝率5割で折り返した阪神。上位浮上へ鍵を握るのが先発6番手の存在だ。

 昨年オフ、中西投手コーチは14年先発ローテーションをこう描いていた。能見、メッセンジャー、藤浪が先発3本柱、4番手は巨人との相性がいい榎田。先発6人のうち、残り2枠を復活を期す岩田と、秋山、ドラフト1位岩貞らが争う構図。中でも期待したのが、若手の台頭だった。

 「若いヤツと戦ってみようという気持ちがある。オレもファームで4年やっているし、良い、悪いは分かっている。楽しみはある」

 そう熱く語った中西コーチは09年から12年まで4年間、2軍投手コーチを務めた。その間に指導したのが秋山、岩本、歳内ら。秋山は1年目に4勝、岩本は2年目に2勝、歳内は1年目に1軍初先発を経験した。二神、白仁田を含めて、殻を破りきれない20代の先発候補は多くいる。

 「1年間、ローテを守れなくても、1カ月とかな。調子のいい時期に1軍に上げたい。例えば4月は秋山、5月は岩本、6月は歳内というように」

 しかし思い描いたように進まない。キャンプ、オープン戦を経て開幕ローテは能見、メッセンジャー、藤浪、榎田、そして残り2枠はドラフト6位の岩崎、高卒5年目の秋山が勝ち取った。初の開幕ローテをつかんだ秋山は4月5日ヤクルト戦(神宮)に先発したが、2回6安打6失点と結果を残せず2軍落ちした。その翌週10日のDeNA戦(甲子園)には歳内が先発したが、4回5安打3失点。歳内は27日同戦で再び先発のチャンスを得たが2回1/3、5安打4失点と散々な結果で、2軍降格となった。

 1カード2連戦の交流戦は先発3本柱を中心に、登録枠をうまく使い岩田、岩崎、榎田の3人のうち2人を起用したが、リーグ戦が再開すると先発ローテは再び6人に。交流戦途中から榎田が中継ぎにまわったため、現在の6番手にはファームで結果を残していた秋山が収まった。

【7月3日現在の阪神の先発成績】

・メッセンジャー 5勝7敗

・能見 5勝7敗

・藤浪 5勝4敗

・岩田 5勝3敗

・岩崎 2勝3敗

 シーズン半分を終えて先発3本柱で貯金を作れず、復活した岩田とルーキー岩崎の奮闘が光る。期待された秋山、岩本、歳内らは、未勝利だ。先発の枠は空いている。中西コーチが熱弁したように、1カ月ローテを任せらる投手が現れるか‐。激化する先発6番手の争いがそのままチーム力を押し上げる。

(デイリースポーツ・杉原史恭)

 

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