今季優勝は?オープン戦の科学的分析法

 プロ野球のオープン戦が始まった。

 野球ファンなら誰しも、この日を待っていたことだろう。

 まだ始まらない公式戦へ向けて、ひいきチームへの思いはいやでも盛り上がる。この時期なら、応援しているのがどんなに弱いチームであれ「優勝」を語るぜいたくが許されている。

 野球チームの戦力などというものは、真剣勝負が始まるまではどのようにでも評価することができる。

 ちなみに、この時期のスポーツ紙の記事だが、担当記者というのはチームに対して思い入れがあることではファンと変わらず、あまり悪いことは書かない。

 主力投手が打たれても「調整」で片付けてしまうし、三振ばかりの主力打者のことを「いいスイングをしている」と書いた記者もいた。

 そんなオープン戦を一つ、冷静に見ようじゃないかということで、デイリースポーツでは約20年前、慶応大学の教授の協力を得て「オープン戦を科学する」的な企画を紙面化したことがある。

 デイリーは教授の求めに応じて、過去のオープン戦、公式戦のデータを提供、教授はそれを統計学だかなんだかの手法で分析して、「オープン戦と公式戦との関係」についての結論を出してくれた。

 いま、その紙面は手元にはないが、要点は思い出すことができる。

 まず、オープン戦での個人成績は、投手の場合、ある程度の相関性はあるものの、打者については信用できない。

 教授の分析によると、打者の調子は1カ月単位で上がり下がりするようで、つまりはオープン戦でガンガン打つバッターは開幕のころ、調子が下降線に向かっている。

 取り分け新来の外国人打者については、教授の分析を待つまでもなく、オープン戦での成績が参考にならないことを我々は経験上知っていた。

 好きなコース、球種を見定めるために、相手投手は打たれるのを承知でいろんなコース、球種に投げ分けるからだ。ネット裏ではスコアラーがビデオを回しながら、目を凝らしている。

 そして、打たせてもらっていることを知らない助っ人たちが、日本のプロ野球を甘くみて、開幕するとたちまち頭を抱える例をたくさん見てきた。

 次にチーム成績のオープン戦と公式戦の関係だが、結論から言えば、最後の1週間の結果が公式戦を占うカギとなる。

 というのも、オープン戦の前半と後半では、打者の調整度と、投げる投手の顔ぶれ、イニング数が違うからだ。

 打者、特にレギュラーを約束されているような主力打者は開幕に合わせて調整するので、最初の段階では結果にこだわらない。

 また主力投手は先発して5回以上投げるようになるのが後半に入ってからで、最後の登板では7回投げるケースが多い。先発投手が7回投げると、その内容は試合の勝敗に直結する。

 そんなわけで、最後の1週間は選手の総合力、つまりチーム力が試合結果に反映されることになる。

 紙面でこの企画を実施して以来、私は「その目」で毎年の結果を検証してきた。そして、かなり信頼度の高い企画であったことに自信を持っている。

 これを知ったプロ野球ファンの皆さん、だからといって真剣には考えず、せめてオープン戦の間くらいはひいきチームの「優勝」を信じようではないですか。

(デイリースポーツ・岡本清)

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