豊作の流行語「大賞」の行方はいかに…

 今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」の発表が近づいてきた。「倍返し」「じぇじぇ」「今でしょ」「アベノミクス」など豊作といわれるなか、東京五輪の招致プレゼンテーションで滝川クリステルが語った「おもてなし」が割り込んできて超激戦である。

 インパクトの強烈さは「倍返し」が群を抜いているだろう。ドラマ「半沢直樹」は倍返ししたくてもできない多くの人々の指示を得て、驚異的な視聴率をマークした。筆者も堺雅人の強烈な演技に引き込まれたひとりだ。しかし、この現象がちょっと怖い。簡単に言えば倍返しは「目には目を」以上の過激な反撃の意思そのものである。原作「俺たちバブル入行組」の作者・池井戸潤氏も番組のホームページに「基本は性善説。やられたら、倍返し。サラリーマンは決して、真似をしてはいけない」とPRもあるだろうが、ドキッとするコメントを寄せている。

 過去の大賞受賞作を眺めてみると、一見して過激といえそうなのは、第11回(1994年)の「同情するなら金をくれ」。ドラマ「家なき子」で安達祐実が演じる恵まれない少女がこう言い放って、ブームを呼んだ。

 「同情するなら金をくれ」。救いのない辛い言葉だ。「倍返し」も同じ印象を受ける。

 同賞は「軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語」を選ぶという。過激な辛い言葉が世相を表現しているとすれば、実に厳しい。

 一方でまったく逆の印象を受ける「おもてなし」。こちらは世界に向けたプレゼンテーションながら、気遣いが希薄になってきている日本人へのメッセージとも受け取れた。

 今年の審査委員はどの言葉を選ぶのか。やはり「倍返し」か。それとも「おもてなし」を選んでちょっとほっとさせてくれるのか。12月の発表が例年以上に待ち遠しい。

(デイリースポーツ・永井功)

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