G大阪・岩下の“警告どまり”を考える

試合終了間際、ドリブルで突破する川崎・大久保嘉人(左)はG大阪・岩下敬輔に体をつかまれ倒される=万博記念競技場(撮影・山口 登)
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 「J1、G大阪1-1川崎」(16日、万博)

 試合終盤に物議を醸すプレーがあった。

 1-1で迎えた後半ロスタイム。勝ち越しを狙う川崎は前線でFW大久保がボールを持ち、マークについていた2人のG大阪の選手(遠藤と岩下)をドリブルでかわした。

 その直後、かわされた岩下が大久保の体をつかみ、倒すことで突破を止めた。当然、このプレーはファウルだが、審判は警告までしか出さなかった。その後のFKはゴールにつながらず、試合は1-1の引き分けで終了。ファウルを受けた大久保は試合後、「(ファウルがなければ)絶対にそのまま行けてた」と振り返っている。

 ネット上には「岩下にはレッドカードを出すべきだった」とする意見が多く見られているが、こうしたケースの判定の基準についてまとめた。

 日本サッカー協会による競技規則には一発退場となる状況が7項目、定められている。

 (1)著しく不正なファウルプレー

 (2)乱暴な行為

 (3)相手競技者またはその他の者につばを吐く

 (4)意図的にボールを手または腕で扱い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する

 (5)FKまたはPKとなる反則で、ゴールに向かっている相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する

 (6)攻撃的な、侮蔑的な、または下品な発言や身振りをする

 (7)同じ試合の中で二つ目の警告を受ける

 今回の岩下のファウルは(5)の「決定的な得点機阻止」にあたるかどうか、で判定が分かれたと考えられる。

 得点、または決定的な得点の機会の阻止の基準は「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」に以下の5項目の状況を考慮しなければならないとある。

 (a)反則とゴールの距離

 (b)ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性

 (c)プレーの方向

 (d)守備側競技者の位置と数

 (e)相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキックまたは間接フリーキックとなるものであること

 今回のケースを考えると、(a)が考慮されたと見られる。ファウルの地点はゴールまで約30メートルの距離があった。また、ほかのG大阪の選手がカバーできる余地があったと判断された可能性もある。

 ただ、1-1で試合終了間際という緊迫した状況であることも考えれば、一般のファンが納得できる判定ではなかった。後日であっても、判定の理由をJリーグから明示するなどの工夫も必要なのではないか。

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