浦和が繰り返す失速の歴史

 「J1、鳥栖1-1浦和」(29日、ベアスタ)

 李はピッチに大の字に。槙野はへたり込んでしまった。森脇が必死に盛り上げるも、イレブンが受けたショックの大きさは誰の目にも明らかだった。

 後半ロスタイム4分にCKから鳥栖のDF小林に頭でねじ込まれ痛恨のドロー。GK林までペナルティエリア内に攻め上がった鳥栖の執念に屈した。

 06年に初のリーグ優勝を果たして以降、低迷期に入った浦和はペトロビッチ監督の就任を機に優勝争いができるクラブによみがえった。しかし、リーグ最終盤の失速癖だけは克服しきれていない。

 今でも重くのしかかっているのが07年のV逸だ。2位鹿島に勝ち点差1をつけて迎えた最終節の相手は、すでにJ2降格が決まっていた最下位の横浜FCだった。

 勝てば優勝が決まる試合の前半17分、カズことFW三浦のパスをMF根占に決められ先制されると、逆転できないまま試合終了。シーズン最後の5試合を3分け2敗と勝ち星なしで終える世紀の失速劇で鹿島に優勝をさらわれた。

 ペトロビッチ監督就任初年度の12年は、最下位の札幌を相手にリーグ終盤の第28節で黒星。13年は31節の仙台戦でロスタイムに同点とされる衝撃的な引き分けから3連敗でシーズンを終えた。

 今季は日本代表GK西川が加入。「守備の安定」を合い言葉に16試合の無失点試合を重ねた。しかし、鳥栖戦を含む直近5試合は1勝3分け1敗と足踏み。攻撃と守備の両立は難しい面があるとはいえ、この5試合で3得点という得点力のなさが大きく響いている。

 19節から守り続けてきた首位をG大阪に明け渡した。勝ち点は「62」で並ぶものの、得失点差が「7」開いているため、最終節にG大阪が徳島に勝った場合は浦和の再逆転はかなり苦しくなる。それでも浦和はホームに迎える名古屋から1点でも多く奪って、わずかな可能性にかけるしかない。

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