C大阪カカウ2戦連発で降格圏脱出

 C大阪‐浦和 後半、ゴールを決め、喜ぶC大阪・カカウ(右端)=ヤンマー
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 「J1、C大阪1‐0浦和」(27日、ヤンマー)

 元ドイツ代表FWカカウ(33)が再びネットを揺らした。大熊監督就任後、初先発となった助っ人FWが2試合連続ゴール。C大阪が3試合ぶりの勝利で14位に浮上し、8月9日の第19節FC東京戦以来7試合ぶりに降格圏を脱出した。

 0‐0の後半23分、左サイドのスローインをFW杉本が落とし、ボールを受けたカカウがドリブルで内へと切れ込む。右足から放たれた強烈なブレ球ミドルは日本代表GK西川の両手をはじき、ファーサイドのポストを叩いてゴールへ吸い込まれた。

 首位浦和を食う一撃に「ミドルレンジから狙っていた。ゴールに入るまでの数秒間は長く感じられた」と頰を緩めた。指揮官は「シュートの質は非常に高い。あらためてクオリティーの高さを実感した」と手放しの賛辞を送った。

 来日初ゴールを決めながらも敗れた前節名古屋戦後には「危機感が足りない。ぬるい雰囲気を感じることがある。もっとプライドを懸けて戦う気持ちが必要」とチームに苦言を呈していた。「自分のキャリアに“降格”なんて文字は入れたくない」とも語った。ブンデスリーガ通算307試合88得点の誇りが、置かれている状況を許さなかった。

 この日も不可解な判定に猛然と異議を唱(とな)えるなど、勝利へ欲求をむき出しにした。カカウに鼓舞されるようにチームも全力で戦い抜いた。C大阪の7本に対し、倍以上となる15本のシュートを浴びながらも、守備陣が体を張り、GK金鎮鉉がゴールを守り抜いた。4分のアディショナルタイム表示に対し、浦和MFマルシオリシャルデスのFKをはね返した時には、時計は後半53分を刻んでいた。勝利を告げる笛が鳴り響くと、ベンチ前には選手、スタッフらの歓喜の輪ができた。全員でつかみ取った勝ち点3だった。

 ただ、大きな1勝にも気を緩めることはない。カカウは「(チームの)雰囲気が変わったと思いたい。大事なのは常に同じモチベーションを持ち続けること。次も気を抜くことなく、しっかりと勝利を勝ち取らないといけない」と表情を引き締めた。

 次節は残留を争う17位清水と対戦する。26日に右膝外側半月板損傷で手術を受けたMF山口が全治3カ月と発され今季絶望となった。U‐19日本代表に招集されたFW南野も29日からチームを離脱し、MF長谷川、DF丸橋が累積警告で出場停止と総力戦の様相を呈する。この勝利を浮上のきっかけとできるのか。真価が問われる一戦となる。

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