人妻美女ボクサー好川が王者に完敗

敗戦を振り返る好川菜々
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 「WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦」(29日、堺市産業振興センター)

 人妻美女ボクサー・好川菜々(36)=堺東ミツキ=は王者アナベル・オルティス(28)=メキシコ=に判定0-3で完敗。富樫直美の4戦目に次ぐプロ5戦目での世界王座奪取はならなかった。

 序盤からパワーに圧倒された。ラッシュする相手の強打を顔に被弾。中盤、反撃に転じ右ストレート、ボディーを打ち込むが単発。逆に左右フックを浴び、流れを止められた。

 「経験不足とは思わなかったけど、相手の体の強さを感じた。効いたパンチもあったと思うけど、もう1回、そこから来る。小さく打った後のパンチのつなぎができなかった」と敗戦を振り返った。

 93-96、91-98、90-99の大差の付いた採点。「ポイントを取ってるラウンドは1つもないと思っていた。練習通りのことしかできなかった、ということ。ああやっていればじゃなく受け入れている。すごいパワーだった。今までで一番強かった」と力の差を認めるしかなかった。

 チアリーディングを始め、地元から大声援を受けたが結果で応えられず。敗戦後はリング上で涙を浮かべ、深々と頭を下げた。

 個人マネジャーの野上真司氏と結婚し、追った夢だった。アマチュアで3階級制覇。12年には世界選手権でベスト8入りを果たし、一度は競技から離れた。その頃、交際を開始した野上氏の熱いボクシングへの情熱を受け止め、目標をプロに定めた。競技に復帰し二人三脚で頂点だけを目指してきた。

 4年ほど前から野上氏はうつ病を発症。今でも通院しながらカウンセリングを受けている。「自分たちは夫婦でいろんなことを経験してきた。うつを克服しながら、年齢を取っている2人で力を与えたり与えられたりして一つの形を作っていこうと」と、好川はすべてを受け止めてきた。

 羽曳野市内で結婚生活を送る。「夫婦でチャンピオンになる」と7月7日(ななの日)に婚姻届を世界王者として出す目標は、かなわなかった。

 「負けることは頭になかった。勝つことしか…」とこの一戦にすべてをかけてきただけに放心状態。野上氏は「僕らが見ているのは世界だけ。悔しい思いはあるけど、ゆっくりしてから」と今後は白紙。女性で36歳という年齢からも、再起にはよほどの覚悟が必要になる。まずは心身を休めてから、進退を夫婦で熟考する。

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